色々と健康に関する記事を書いてきましたが、健康に良い食べ物はおいしくない、質素だ、我慢しなければならないと言った思い込みがありませんか?そんなことは全くありません。今日は皆さんに抗酸化物質を多く含み、甘いけれど血糖値を緩やかに上昇させるので、体重増加につながらないだけではなく、むしろ食欲を抑えてくれるレシピを紹介します。
材料:
ダークココアパウダー120g(カカオ含有率が少なくとも70%以上)
エリスリトール120g(ステビア、キシリトール、若しくはラカントSという商品もおすすめです。スポーツをされている方ははちみつと半々でも良いと思いますが、はちみつは後で加えてください。理由は後述します。)
オリーブオイル60g
エキストラバージンココナッツオイル60g
砕いたナッツ(アーモンド、クルミ、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、カシューナッツなどお好きなものを)100g
卵4個
作り方:
作り方はものすごく簡単です。先ず、オーブンを160度に予熱してください。湯煎でココナッツオイルを溶かします。後は材料をすべてボウルの中に入れて、ゴムベラでかき混ぜて、直径22㎝の型に流し込みます。そしてオーブンで50分間焼くだけです。焼きたてでも美味しいですし、冷蔵庫で冷やしてから食べても美味しいです。
「デザートなのに、しかもこんなに手抜き感満載なのに、健康に良いなんて本当にあり得るの?」と思っている方たちのために、何故これらの食材を選んだのか説明していきます。
ナッツ
ナッツはその構成要素の40%から70%は抗酸化作用の高いオメガ3脂肪酸です。抗酸化物質としてはビタミンE とビタミンB を含み、体に備わっている抗酸化酵素の働きを最適化するのに必要な銅とセレンも含んでいます。その他としてはマグネシウム、鉄、カリウムを含みます。
ナッツ類はマグネシウム、ビタミンB、ホスフォリピーデといった脳の代謝や神経細胞に必要な物質を供給し脳の働きを良くしてくれるだけでなく、抗酸化物質であるポリフェノール、フィトステローレを含み、炎症によって引き起こされる病気(糖尿病や呼吸循環器系)のリスクを減らしてくれることが知られています。
中国での64000人を対象とした4年半にわたる実験では、ナッツをたくさん摂取するグループとほとんど摂取しないグループに分けて調査したところ、ナッツをたくさん摂取するグループでは糖尿病の罹患率が20%低かったという結果になりました。
また別の50歳以上の2500人を対象にした10年間にわたる追跡調査では、一日1,4gから4,5g摂取したグループは摂取しなかったグループに比べて低度で慢性的な炎症によって引き起こされた病気による死亡率が50%まで減少しました。
これらはオメガ3脂肪酸による抗炎症作用、ポリフェノール、ビタミンE、ビタミンBの抗酸化作用による相乗効果であるとされており、炎症の指標となるCRP値やインターロイキン6の減少によっても確認されています。
ダークココア
ココアの原材料であるカカオにはアナンドアミン、フェニルレチルアミンという脳の幸福、ワクワク感、痛みに関する領域に働きかけ幸福を感じさせる物質が含まれています。チョコレートが好きな人が多いのはそのせいかもしれませんが、依存症の心配をする必要はありません。依存症を引き起こすには少なくとも20㎏の分量が必要です。カカオに含まれているカカオポリフェノールは血行、血圧、脂質代謝に好影響を及ぼし、動脈硬化を引き起こす炎症を抑えるがゆえに、呼吸循環器系の疾患のリスクを軽減します。また切り傷の治癒を促進したり、ピロリ菌から守ってくれることも証明されています。
但し、全てのチョコレート、ココアが健康に良いという訳ではありません。カカオ含有率が低く、砂糖や植物油脂を多く含むチョコレートやココアは炎症を促進させ、病気のリスクを上昇させます。少なくともカカオ含有率が70%以上のものを選んでください。
エリスリトール
まず初めに述べておかなければなりませんが、基本的に人工甘味料の方が天然の甘味料よりも体に悪く、体重増加を促すので、糖質offだから体に良いとかダイエットコーラだから体重が増えないとかいうのは嘘です。通常食事摂取後は中核体温が上昇しますが、ネズミを使った実験では人工甘味料であるサッカリンを摂取した後も中核体温が上昇しませんでした。これが意味するところは、通常代謝の上昇によってカロリーを燃やすはずであるにもかかわらず、サッカリンを摂取したネズミでは代謝の上昇が生じなかったので体重の増加につながるということです。アメリカのデューク大学で行われた実験を受けて2008年3月に発表された研究結果では、甘みを知覚できないマウスに天然の糖(サッカロース)を投与したところ脳内のドーパミン回路が反応しましたが、人工甘味料(スクラロース)を投与したマウスの脳は反応しなかったということでした。これが意味するところは、人工甘味料では、少なくとも脳は、満足を感じなかったということです。つまり満足感を得られないので必要以上に食欲が喚起され、体重の増加をもたらします。
2008年ミネソタ大学での更なる研究から帰結された結論は、人工甘味料はインスリン抵抗性(インスリンに体が反応せず、筋肉に取り込まれるはずの血中の糖が血中に取り残され、膵臓から更なるインシュリンを分泌しなければなくなること)と糖不耐性(血中の糖を処理することが出来ず、血糖値を正常値に保てないこと、糖尿病の前段階)が引き起こされ、この状態が長く続くと腎臓は疲弊しインシュリンが分泌されない状態になります。
これら、人工甘味料にはアセスルファームK、アスパルターム、シクラマート、サッカリン、スクラロースなどがあります。
しかしながら、人工甘味料ではなく果物や野菜を発酵させて作った甘味料である糖アルコールと呼ばれるものもあります。ステビア、キシリトール、ソルビトール、エリスリトールがそうです。これら糖アルコールの甘さは砂糖の半分程度です。糖アルコールは十二指腸のバクテリアによって消化されずに発酵されます。要するに、消化されないため血糖値を上昇させずカロリーとしても吸収しないわけです。がしかし、消化しないので消化器系の問題を引き起こしやすく、下痢や腸内ガスの原因になります。
しかし唯一このエリスリトールのみが消化器系の問題を引き起こしません。何故なら他の糖アルコールに比べて、明らかに分子が小さく90%以上が小腸で吸収され、大半は尿として排出されるからです。
ハチミツ
ハチミツは確かに糖であるし、血糖値も上昇させますが、パンやクッキーなどに比べればそれほどグリセミックインデックスは高くありません。加えて、生はちみつに含まれている酵素やミネラルは体の回復を助けてくれます。いわゆるエンプティ―カロリーとは一線を画します。殺菌作用や免疫機能の向上も助けてくれます。しかしながら、あくまでも生ハチミツです。ハチミツは45度以上に加熱するとその酵素が破壊されその効果を失ってしまいます。エリスリトールの代わりにハチミツを使ってもらっても全然かまわないと思いますが、その場合は焼きあがった後で、かけて食べてください。決して焼く前にハチミツを混ぜないでください。
オリーブオイル
オリーブオイルは抗炎症作用を持つオメガ9脂肪酸を含み、不飽和脂肪酸でありながら、ベータカロチン、ビタミンE、ビタミンKという抗酸化作用が強いビタミンを多く含むので加熱しても酸化しにくいです。抗酸化作用の高いポリフェノールも多く含みます。
ココナッツオイル
ココナッツオイルは中鎖脂肪酸に属し、その分子構造が安定しているので加熱しても酸化しません。また分子が小さく素早く小腸に吸収され、その吸収率は不飽和脂肪酸である長鎖脂肪酸の4倍、代謝速度も10倍近く速いので皮下脂肪として蓄積されにくいだけでなく、ケトン体の生成を促し、皮下脂肪の燃焼を手助けしてくれます。ケトン体とはミトコンドリア内で処理されなかった脂肪酸由来のエネルギー化合物質(アセチルコエンザイムA)が肝臓に回されて合成された賛成の代謝物質です。ケトン体には炎症性サイトカインの発現を抑制し、嫌気的解糖による乳酸の発生を減少させることで、活性酸素を除去する能力もあります。またケトン体はサーチュイン3という長寿遺伝子を活性化させ、ミトコンドリアを活性化させ、アポトーシスを誘導することによって傷ついたDNAの修復を推し進めてくれます。
ココナッツオイルまたは中鎖脂肪酸の摂取のみでケトン体が出る訳ではなく、糖の不在も条件の一つにはなりますが、極端な糖質制限ではなく、50%程度の糖質摂取量若しくは15時間から18時間のプチ断食と中鎖脂肪酸の組み合わせでもケトン体は産生されるようです。
参考
『ケトン食がガンを消す』古川健司著
『Better Training for Long Distance Runners』David. E. Martin .Ph. D、 Peter N. Coe共著
『The Bulletproof Diet』 Dave Asprey著
『Serve to Win』 Novak Djokovic著
『Warum Papaya kühlt und Zucker heiß macht』Prof. Dr. Michaela Döll著
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