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執筆者の写真秀志 池上

世界一くだらない方法で世界一重要なことを学ぶ方法


『スクールオブロック』というロック好きのでたらめ教師が子供たちにロックを教えロック大会で優勝を目指すという内容の映画があります。根性系でも青春系でもなく、随所に笑えるポイントがちりばめられたコメディ映画で物凄くくだらない映画なのですが、物凄く重要なことが学べる内容になっています。

 先ず第一にこの主人公はロックンローラーとして成功する夢をあきらめきれずに、かつて一緒に夢を見た友人のアパートに転がり込んで挑戦を続けるのですが、自分が作ったバンドからも邪魔者扱いされバンドのメンバーから外されます。かつて共に夢を見た友人にもう一度バンドを結成しようと持ち掛けるものの、その友人は教員という安定した職に就き人生で初めての彼女とも幸せな生活を続けているのでバンドを組む気はありません。

 なかなかこの主人公は痛いキャラで、誰も信じていないことを成し遂げられると信じて周りから馬鹿にされているのですが、これは映画だから設定として面白い訳なのですが、現実にこのような人間がいたら皆さんはどう思いますか?

 おそらく皆さんも笑い飛ばすでしょう。だからこそコメディとしても面白いのですが、現実にこのように人間がいたら私はとてもセルフエフィカシーの高い人間だと思います。エフィカシーと言うのはその人のその人自身の能力に対する評価のことです。詳しくは過去記事の中で、詳細に述べているので割愛しますが、このエフィカシーが高ければ高いほど自分の能力を発揮することが出来ます。最終的にその人の目標が達成できるかどうかは別にして、その人の能力を最大限に発揮するにはエフィカシーを高めることが最重要です。これが難しいのは何よりもこの現実世界のリアリティが強いからです。

 映画の方に話を戻しましょう。この主人公セルフエフィカシーが高いことも凄いのですが、この主人公は他人のエフィカシーを引きあげる天才なのです。一クラス全員でバンドをやるのですが、全員がステージに立つわけではなく照明係や衣装係、小道具、バンド名を考える係、警備班などの様々な裏方さんもいる訳です。こういった裏方さんに裏方の重要性や意義を伝えるのがものすごく上手く、結果的にこの裏方さんたちが半端ではない独創性や創造性を発揮します。まあ映画の話と言えばそれまでなのですが、エフィカシーが高いから自分の能力を最大限に引き上げることが出来るのは本当の話です。

 イスラエルの空軍は世界一と言われていますが、その世界一の空軍を支えているのが全国民からの尊敬だとも言われています。イスラエルは国民皆兵の国で女性も兵役につくほどそれは徹底されており、イスラエルでは兵士は大変尊敬されています。その中でも優秀な人が入れる空軍の部隊があり、そのパイロットたちは周りからとても尊敬されます。逆に言えば、本人達は「俺たちは世界一のパイロットだ。他国の空軍より優れているのは当然だ」という高いエフィカシーを持ちやすい環境にあります。

 アメリカの特殊部隊「グリーンベレー」でも閉鎖的な環境の中で「俺たちは世界一の部隊だ」という教育を施していくそうです。

 このような例を考えていて思うのですが、スポーツでもそのスポーツが強い国はそのスポーツを職業とする人が社会的な尊敬を集める国です。ケニアではマラソンで成功すると日本やアメリカにおけるロックスターのような扱いを受けると聞きましたが、誇張表現だとは思いません。イタリアも先進諸国の中ではコンスタントに強い国の一つですが、イタリアもやはりマラソンランナーは強い国民的尊敬を受けるとジェリンド・ボルディンというかつて世界の一線で活躍した選手が言っていました。

 日本や中南米における野球も同様だと思います。ヨーロッパ人の野球に対する関心は驚くほど低く、気候的にはイタリアやスペインでも流行ってよさそうなものですが全然人気がありませんしレベルも日本、韓国、アメリカ、中南米と比べると低いです。

 日本における箱根駅伝もそうなのではないでしょうか?箱根駅伝の後選手が伸びないという非難をよく聞きますが、寧ろ選手のエフィカシーを大学、マスコミが一体となって引き上げているから箱根駅伝は非常にレベルが高いのだと思います。問題はそのようなエフィカシーは周りが持ち上げて作り上げたものなので、環境が変わるとエフィカシーが下がってしまうということです。

 日本のマラソンは女子が強いと言われますが、箱根駅伝を経由していない女子選手はもともと環境から独立してエフィカシーの高い選手が多いのかもしれません。若しくは2000年以降に限って言えば、男子に比べて日本の女子マラソンは強いと言われることが多かったので、大学駅伝からマラソンに移行するタイミングで男女の集団的エフィカシーが逆転するのかもしれません。

 何はともあれ『スクールオブロック』は高いエフィカシーの持ち方を学ぶのによい映画だと思います。しかも、エフィカシーとは関係なくくだらなさが楽しめるおススメの映画です。吹き替え版や字幕版もあります。ぜひ一度観てください。

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ランニング書籍

講師紹介
​ウェルビーイング株式会社代表取締役
池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

​ウェルビーイング株式会社副社長
らんラボ!代表
深澤 哲也

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経歴

中学 京都市立音羽中学校

高校 洛南高校

↓(競技引退)

大学 立命館大学(陸上はせず)

​↓

大学卒業後

一般企業に勤め、社内のランニング同好会に所属して年に数回リレーマラソンや駅伝を走るも、継続的なトレーニングはほとんどせず。

2020年、ウェルビーイング株式会社の設立をきっかけに約8年ぶりに市民ランナーとして走り始る。

感覚だけで走っていた競技者時代から一変、市民ランナーになってから学んだウェルビーイングのコンテンツでは、理論を先に理解してから体で実践する、というやり方を知る。始めは理解できるか不安を持ちつつも、驚くほど効率的に走力が伸びていくことを実感し、ランニングにおける理論の重要性を痛感。

現在は市民ランナーのランニングにおける目標達成、お悩み解決のための情報発信や、ジュニアコーチングで中学生ランナーも指導し、教え子は2年生で滋賀県の中学チャンピオンとなり、3年生では800mで全国大会にも出場。

 

実績

京都府高校駅伝区間賞

全日本琵琶湖クロカン8位入賞

高槻シティハーフマラソン

5kmの部優勝 など

~自己ベスト~

3,000m 8:42(2012)
5,000m 14:57(2012)
10,000m 32:24(2023)
ハーフマラソン 1:08:21(2024)

​マラソン 2:32:18(2024)

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