今回からいよいよ慢性的な痛みを取り除くための本題に入っていきます。慢性的な痛みを取り除くための治療は1.筋肉のしこりを取り除くマッサージ、2.癒着した組織を取り除くためのひっかき技が主要な二本柱となります。私の場合はこれに鍼治療が入ってきますが、私は鍼の専門家ではなく言葉で伝えるのが難しい部分でもあり痛みを悪化させるリスクもありますのでここでは控えさせてもらいます。
筋肉のしこりを取り除くマッサージ
筋肉のしこりを取り除くマッサージですが、盲点になっているのは短時間で良いので一日に何度もマッサージするということです。ほとんどの人はやってもせいぜい一日一回か二回、通常週に数回接骨院や鍼灸院に行くものの自分では何もしないという人も多いです。しかしこれでは慢性的な痛みは快方に向かいません。
一回に1時間の治療を施すよりも、一回5分から10分で良いので最低3回出来れば6回ほどマッサージする方が快方に向かいます。マッサージの強度もそれほど強くする必要はありません。最も痛い状態を10、何も感じないのを0とすると6程度の痛みが適当です。基本は患部に圧を加えることです。それなりにしっかりと圧を加えないと治りません。軽くもんだり、さするだけでは不十分で痛みは感じるけれど不快ではないという強さが適度です。また圧を加えた状態で数秒間静止するのもポイントです。
ハムストリングスや臀部、腰、背中などは自分で十分な強さの強度の圧を加えるのが難しい箇所ですがこのようなケースではソフトボールやラクロスボール、ゴルフボール、市販のツボ押しグッズなどを使います。最近では様々な治療器具が出回り値段が張るものもありますが、そのような高価なものは一切必要ありません。圧を加えることが出来れば十分です。
この治療で大切なのは強度と頻度の他に場所です。どこにマッサージを施すのかということがとても大切になります。というのも慢性的な痛みにおいては関連痛のケースも多いからです。関連痛というのはある個所の筋肉のしこりや組織の癒着が原因で他の箇所に痛みが出ることです。基本的には痛みのある個所と痛みのある個所の近位部(体の中心、背骨に近い箇所)を治療することが基本ですが、一言でふくらはぎと言っても範囲はそれなりにあります。5㎝ずれればまず治療は効きません。また、原因は一か所だとも限りません。私の場合は足底筋膜炎を治すのに、足底とふくらはぎとハムストリングスを同時に治療する必要がありました。それも一言でふくらはぎやハムストリングスと言ってもふくらはぎの中にも数か所の筋肉のしこりがあり、ハムストリングスにも数か所の筋肉のしこりがあったわけです。
マッサージ器具を使う場合でも治療前に自分の手で触って感触を確かめておくことが非常に大切になります。触ってしこりがあったり圧痛のある場所が治療すべき場所ですが分かりにくいときは、反対側の同じ個所と比べると良いと思います。
癒着した組織へのアプローチ
癒着した組織へのアプローチは油などの潤滑剤をつけてしゃもじで遠位部から近位部へとこすり上げるのが一番です。私が使った中では大きめの木製のしゃもじがベストですが、先端が丸くなっていて皮膚を傷つけないような形状であれば何でも構いません。プラスチックのまな板やスプーンでも良いです。潤滑剤は必ず十分に滑りやすいものを使ってください。私の場合はMSMクリームを使うことが多いですが、思い当たるものがなければオリーブオイルで十分です。高価なものを使う必要はありません。
この治療でも先ずは広範囲な部分から始めてどこに癒着があるのかを探します。こすり上げてみて音のする箇所が癒着のある個所です。先ずは音のする箇所を探してください。その後はそこを重点的にすると良いと思います。初めはこの治療に体が順応するまでに少し時間がかかるかもしれませんが、何となく不快感が感じられるようであれば一日おきから始めて慣れてくると毎日やると良いと思います。但し、この治療は一日一回より多くはやらないでください。皮膚を傷める可能性が高くなりますし、2回以上やってもあまり効果は感じられません。また、治療の順番としてマッサージを施した後でこの治療を実施すると良いと思います。
どこに施せばよいのかということですが、これも基本的には痛みのある個所とその近位部になります。足底筋膜炎の場合は直接患部の施すと効果的ですが、アキレス腱炎の場合は悪化させる可能性があります。その辺りは自分の体に聴くしかありません。基本的には筋膜への治療ですので、プチプチっという音がする箇所は例外なく治療したほうが良い箇所です。自分の痛みとは関係ない箇所のように思えても自分の競技能力を妨げている可能性のある個所ですのでその箇所には治療を施してください。
高強度のマッサージ
たまに慢性的な痛みを抱えていて、今現在あなたがランニングから遠ざかっている、若しくは次に日は走らない、軽めの練習という日があれば強刺激の治療を入れるのも良い考えです。私の場合は鍼を使ってこの今日刺激の治療を行っていますが、家の近くに治療後しばらく熱を持つくらいの強刺激のマッサージをしてくれる治療家がいればそこに行くのが良いと思います。青たんが出来るくらいの強度で構いません。詳しくは過去記事の『プロロセラピー』を参照してください。
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