「DNA再起動プログラムを始める前、プログラマーのチャドにとって、飲み物と言えば、職場の大部分の同僚と同じようにコーヒーのことだった。お気に入りはモカ。少なくとも1日4杯、必ずダブルクリームと砂糖を2杯入れて飲んでいた。仕事の締め切りが迫ってくると、しょっちゅうひどい胃炎に悩まされ、胃腸の量を抑えるプロトンポンプ阻害薬のオメプラゾールが手放せなかった。
DNA再起動プログラムを実践し始めたチャドは自分の体がずいぶん変わったことに気がついた。プログラムを始めてすぐに驚かされたのは、コーヒーをほとんど飲まずにウーロン茶を飲むようになったため、胃炎が治ったことだった。それは薬が不要になるほど改善していた。だが、一番うれしかったのは、目に見えて、胴回りが縮んできたことである。職場でも気づく人が出てきて、どうやって痩せたのか、いつも飲んでいるお茶が、その秘訣なのかと訊かれた。チャドをはじめジャバをこよなく愛する同僚たち〔「ジャバ」には「コーヒー」の意味と、コンピュータ言語の「JAVA」の意味がある〕が考えてもいなかったのは、1日4杯のコーヒー{とダブルクリーム2杯の砂糖}を飲むことが、いかに余分な液体カロリーになっていたかということだった。じつに、毎日850キロカロリーもよけいに摂っていたことになる!そしてDNA再起動プログラムを実践したあとに、チャドが知ったのは、ウーロン茶は、余分なカロリーを彼の人生からそぎ落としてくれただけでなく、お腹の脂肪を標的にして、それもそぎ落としてくれたことだった。
チャドにとって、コーヒーと椅子に座りがちなライフタイルという組み合わせは、長年にわたる体重増加と意見の引き金になっていたのだ。カロリーゼロのウーロン茶を毎日2~3杯飲むようになってからは、締め切りがやってきても胃炎にかかることがなくなり、仕事にもずっとよく集中できるようになったと彼は言い切る。
そう、ウーロン茶は特別な茶なのだ。
わたしが第4のルール「ウーロン茶を飲もう」を考案したのも、この茶には重要かつ有益な3つの特徴があるからだ」(シャロン・モアレム著『DNA再起動 人生を変える最高の食事法』中里京子訳
ウーロン茶 茶界の埋蔵金
組織が大きくなれば、いてもいなくても気づかないようなベテランが一人や二人はいるものです。彼らの一部は窓際族などと言われ、本人もそれを気にも留めず、ひたすら与えられた仕事をこなし、何事もなかったように帰っていく、誰からも注目されることはない。しかし、そんな彼らがその組織の窮地を救うことがある。若手のエースが壁にぶち当たり、今まで若い才能をほめそやし、エースにおんぶにだっこの組織は崩壊しかける。そんなお時に普段は何の存在感もなかったベテランがぽっと解決策を提示する。そして、その通りにやってみると実際に問題が解決され、その組織は再び立て直した。
漫画やドラマでありそうなこういった展開が私は割と好きだったりします。そもそも、目立たないということは、これまでも与えられた仕事を着実にこなしてきたからであり、出世欲がないからこそ客観的に見えている部分もあり、。経験も長く、脳内に蓄積されたデータベースの量も多くなっています。普段は前に出ようと思わないが、組織のピンチになると、解決策はちゃんと脳内のデータベースから答えがはじき出される、そしてまた何事もなかったように窓際の席に戻っていく、そんな人はカッコいいと素直に思います。
実はこのベテランのような存在がウーロン茶です。あまりにもありふれた飲み物で、その存在をすっかりと忘れられているけれど、体に良い飲み物です。冒頭ではプログラマーのチャドさんの例を挙げましたが、実は私も現在ウーロン茶の恩恵をありがたく受けています。
ウーロン茶のメリットその1:豊富な抗酸化作用、抗炎症作用
京都府に生まれ、実家は茶道具と華道具を売る私にとって抗酸化作用の強い飲み物とは緑茶のことです。緑茶の中でも最も抗酸化作用が強いのは抹茶です。さすがに、茶道具屋の息子と言えども抹茶を常飲するということはありませんが、季節ごとに抹茶を飲んできました。大人になってからは緑茶が好きで、緑茶をよく飲んでいます。他にもダークココアやコーヒーにも抗酸化作用、抗炎症作用を豊富に含むので、たしなんできました。
そもそもの話をすると、人間の体には自覚症状がないような炎症反応や酸化ストレスによるダメージを頻繁に負っています。これらはどこからくるのかというと、ありとあらゆる身体的、精神的ストレスからくると言って良いでしょう。現代人にとっては、不健康な食生活、お酒、仕事のストレス(通勤のストレス、人間関係、金銭的な不安etc)、運動不足といったところが主な原因でしょうか。
タバコや排気ガス、公害などは私が子供のころと比べるとかなりマシになったような気がします。
そして、長距離走やマラソントレーニングによっても炎症反応、酸化ストレスが生じます。ただ、誤解のないように書いておくと、長距離走・マラソンが体に悪い訳ではなく、どのようなスポーツでもプロレベルでやるくらいまで突き詰めれば、多かれ少なかれ体に悪影響は出てきます。
で、これはメリット、デメリットがで考えるべき問題で、基本的には体を動かすことは体に良いことですし、何といっても運動している人の方が体が綺麗です。男はかっこよく、女性は美しいです。疲れにくい体も手に入りますし、感染症のリスクも下がり、見た目も若くいられます。
ただ、こういったメリットがありつつも、程度問題であって、競技レベルになってくると様々な弊害が出てくるということです。
またそもそもの話をすると、競技レベルで行うスポーツによる弊害が競技自体に悪影響を及ぼします。単純な話で、トレーニングからのリカバリーは速ければ速いほど、競技能力の向上につながりますし、トレーニング刺激に対しても体が適応し、故障のリスクも減ります。
そして、ハードなトレーニングがもたらす体への悪影響の大半が自覚症状をともなわないような低度な炎症と酸化ストレスです。これを極限まで抑えることが出来れば、トレーニングの疲労からの回復も速くなり、トレーニング刺激に対しても適応しやすくなります。
そんな訳で、私は抗酸化作用マニア、抗炎症マニアと言っても過言ではないくらい、食卓を抗酸化作用や抗炎症作用を多く含む食品や飲み物で満たしていたのですが、ウーロン茶にそんなに強い抗酸化作用があるとはしりませんでした。
正直、どの飲み物に最も強い抗酸化作用があるかは研究者によって主張が異なります。ただ、確実に言えることは、どうやら緑茶に近い抗酸化作用があるようです。どうもとても特殊なポリフェノール化合物である「テアシネンシン」に強い抗酸化作用があるそうです。
ウーロン茶をウーロン茶たらしめているもの
私は知らなかったのですが、ウーロン茶と緑茶と紅茶の茶葉は同じだそうです。茶葉自体には数百種類あるとも言われており、それぞれに風味は違うのですが、それが緑茶になるのか、紅茶になるのか、緑茶になるのかは工程の違いだそうです。どうも茶葉は製造工程において酸化の度合いが低いものが緑、参加しきったものがあの濃い紅茶の色になるそうです。そう言えば、紅茶は英語ではBlack Teaですが、確かに赤色というよりは黒っぽい濃い色になります。
で、緑茶は製造工程において酸化がほとんど進んでおらず、それがあの若葉と同じ緑色を生み出し、強い抗酸化作用を持つそうです。しかし、この強い抗酸化作用を持つ緑茶が一部の人には避けられており、理由は刺激が強すぎるからだそうです。漢方医の中には緑茶の効能を認めつつも緑茶を飲まない人が少なくありません。
16世紀に書かれた『本草綱目』という書物があるのですが、著者は内科医であり、植物学者でもある李時珍という人で自身の医師としての経験と900冊以上の書物を読み込んで27年間の歳月をかけて書き上げた超大作です。どうせ昔のことでしょと思われるかもしれませんが、昔の本だからと言ってバカにしてはいけません。実際に人間の体を27年間観察してきた結果をまとめているのですから、役立つことがたくさんあるはずです。500年前は人間は霞を食って生きていたとか、寝なくても生きていたということはないでしょう。人体はそう大きくは変わりません。
その『本草綱目』の中にも「体と血の衰えた患者が(緑)茶を長期間飲み続けると、重篤な胃の炎症が引き起こされる・・・」と書かれているのだそうです。
私は緑茶を飲んでも胃が荒れません。しかし、思い当たることはあります。緑茶を飲むと目がさえるような感じがしますし、利尿作用もあります。そういう意味では刺激が強いと言えるでしょう。もしかすると、緑茶を消化吸収するDNAを持たない人がいれば、胃炎が起こるかもしれません。
ちなみにですが、その点コーヒーはダメです。私には合わないです。好きなので、たしなむ程度には飲みますが、やっぱり胃腸の働きが悪くなりますし、走る直前に飲むと高確率でトイレに行きたくなります。しかも、お腹が重くなって呼吸もしにくくなります。私には合いません。
『The Bullet Proof Diet(最強の食事)』という本を書き、世界中でギーコーヒー≒バターコーヒーを世界中で爆発的に流行らせたデイブ・アスプレーという人がいます。この片の著書には「コーヒーは体に良いという人と悪いという人がいるが答えは単純だ。カビ毒に汚染されたコーヒーは体に悪い。それだけのことだ。品質の良い豆から作られたコーヒーは全て体に良い」と書いてありました。
アスプレーによると、通常の基準では甘いそうで、もっと厳密に検査しないと人体に悪影響なカビ毒(マイコトキシン)の汚染度合いは分からないそうです。そこまで言うならば、ということで私は彼が販売するThe Bullet Proof Coffee(最強のコーヒー)をアメリカから取り寄せました。送料の2000円が高いですが、コーヒー豆自体はそこまで高くありません。
そして、飲んでみました。コーヒー通のアスプレーが作ったコーヒーだけあっておいしかったです。しかし、残念ながら私の体は受け付けませんでした。やはり腹部の不快感に襲われ、走る前に飲むには適していません。
おそらく私の遺伝子では受け付けないのでしょう。ロンドンオリンピック男子マラソン代表の藤原新さんは走る直前に飲んでも大丈夫な方です。レースの前でも大丈夫です。
話を茶に戻しましょう。緑茶は抗酸化作用が強い代わりに、刺激が強すぎる、紅茶は酸化してしまっているというデメリットがある中で、ウーロン茶はちょうど緑茶と紅茶の中間の焙煎の仕方をして、36時間から48時間ぶっ通しで作業をするそうです。その中でも高級茶葉を作る場合には絶妙な加工過程が求められるため、職人さんが18時間微妙な温度管理を行い、その後で初めて弟子にバトンタッチするそうです。
これは何のお茶かは忘れましたが、この茶葉の加工における温度管理はいまだに機械では出来ないと聞いたことがあります。機械が温度計で温度を図ってその温度を見てから火の強さを加減するようなやり方では出来ず、職人さんが炎の色を見たり、肌感覚で炎を感じ、これから温度がどのように変わっていくのかを肌で感じて、それで温度調節をしないと実際に温度が変わってから対処しているようでは、間に合わないそうです。
おそらくウーロン茶にもそのような作業が求められるのでしょう。そして、そのようにしてつくられたウーロン茶は抗酸化作用を強く持つそうです。
ウーロン茶のメリットその2:脂肪を燃やしてくれる
ウーロン茶が脂肪を燃やしてくれるそのメカニズムは褐色細胞を活性化させることにあるそうです。褐色細胞と聞いて私の頭の中で、一つの記憶にヒットしました。昔、アイスマンと呼ばれる尋常じゃないくらい寒さに強い男の話を聞いたことがあります。アイスマンは5000年間氷漬けにされていた方のアイスマンではなく現代の人間で、記録が破られていなければ氷水に使っていられる世界最長記録を持っているはずです。短パン一丁で冬山を登ったりもするような男です。
この男の体を調べてみると褐色細胞の数が異常に多かったそうです。我々の脂肪細胞には白色細胞と褐色細胞の二つがあり、褐色細胞の方は脂肪を燃やし熱を生み出すことが出来るのに対し、白色細胞の方はそれが出来ないそうです。褐色細胞が活性化することによって脂肪が燃えやすくなるそうですが、褐色細胞を活性化させるにはアイスマンと同じことをすればよいのです。そうです、体を寒冷環境に曝露すれば良いのです。
実際に先述の医学博士シャロン・モアレム博士は自らの体で実験し、実際に褐色細胞が活性化したのを確認したそうです。
しかし、それは嫌じゃないでしょうか。私は比較的寒いのは得意ですが、それでも嫌です。博士もご自身で不快感が問題点だと著書に書いておられます。ところが、ウーロン茶を飲むことで褐色細胞が活性化することをシャロン・モアレム博士が確認したそうです。
ウーロン茶のメリットその3:痩せやすい体質になる
私たちの腸には様々な細菌が住んでおり、その細菌たちと共生しています。そして、それらの細菌は私たちが食べるものによって決まっています。例えば、加工された炭水化物(白砂糖を含む様々な飲み物や食べ物、いわゆるエンプティカロリー)や動物性たんぱく質ばかり食べている人の腸は腸内細菌が多様性に欠けており、様々な野菜や果物など食物繊維が豊富な食事をしている人の腸内細菌は多様だそうです。
どのような腸内細菌を持つかで、自分自身の体は変わっていくのですが、ウーロン茶や緑茶に含まれているカテキンは、腸内細菌をより健康的な方向へと変えることを示し、脂肪をより効率よくエネルギーに変換する遺伝子の発現が見られたそうです。
確かに、ウーロン茶や緑茶にはこの手の宣伝文句をうたっている商品がいくつかありますが、嘘ではないようです。
茶葉を選ぼう
これはコーヒー豆、緑茶、ウーロン茶のすべてに言えることですが、ある程度は値段の張るものを買わなければ、体に良いものにはならないようです。シャロン・モアレム博士は著書の中で、「選択肢の中で最も高いものを選ぶように」と書いておられたので、そこまで言うならということで、私もアマゾンで台湾からの高級ウーロン茶を買いました。100グラムで2000円ですから、まあ、肉なら松坂牛や神戸牛クラスでしょう。
本物のウーロン茶は水を吸うと何倍にも膨らむので、ティーパックの場合はほとんど空っぽに見えるそうです。私が勝ったのは、ティーパックのものではないのですが、確かに急須で飲んでみると何倍にも膨らみました。そう言えば、緑茶も品質の良いものは何倍にも膨らみます。何倍と具体的な数字を言うことは難しいですが、ざっと5倍には膨らみます。
今回は日本人にとってはものすごく身近な存在でありながら、その健康効果をほとんど認識されていないウーロン茶の話でした。ちなみにですが、高級ウーロン茶は味も非常においしくて、以前はたしなむ程度には飲んでいたコーヒーがほとんど欲しくなくなりました。そのおかげでお腹の調子が非常に良くなり、私には嬉しい誤算でした。
ウーロン茶に含まれる成分に腸壁を保護する効果があり、コーヒーを飲んでも胃や腸が荒れやすくなるのを防いでくれるそうです。
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