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執筆者の写真秀志 池上

LLLTの使い方

更新日:2023年8月31日

 今回はLLLTの使い方について書いていきたいと思います。LLLTとは低出力光線療法のことで、ハーバード大学のマイケル・ハンブリン教授をはじめ、全世界で5万件以上の研究事例が報告されていますが、副作用に関する報告はないと言ってよく、一方で、疲労の回復、肌の手入れ、消炎、鎮痛、育毛、鬱の緩和、認知機能の向上などなど多様な用途が報告されています。


 私が初めてLLLTを使い始めたのは2017年、故障した時に私のコーチのディーター・ホーゲンが「現在世界で最も奥深くの組織までアプローチできるのはLLLTだ」とおっしゃっていたところから、オレゴンプロジェクトやリオデジャネイロオリンピックドイツ女子マラソン代表のハーナ―ツインズ(リザさんとアンナさん)も愛用されていることを知り、そこからさらにいくつもの研究論文を読み込み、今では愛用者になっています。


リザさんと私


 実はLLLTに関する記事は私が調べ始めた2017年は日本語で書かれたものがほとんどなく、現在でも圧倒的に少ないと言わざるを得ないというのが実情です。そのような背景から、今回は改めてLLLTの使い方を説明しみようと思います。


 今回の記事はLLLTについてある程度知っている方、或いはすでにLLLT機器を購入された方向けの記事です。まだLLLTについての知識がないという方、初めて聞いたという方は下記のURLから「LLLTのメカニズムはどのようなものか?」という記事をご覧ください。


 さて、では早速LLLTの使い方について紹介していきたいのですが、レーザー型とLED型に分けて解説していきたいと思います。


レーザー型

 レーザー型のものの特徴は単位照射面積当たりの光子の量が多いことです。高価なものであれば、最先端技術を使って指の先ほどの大きさで大きなエネルギーを凝縮させて、患部を治療することが出来、30万円ほどします。安いものであれば、ガラス管を使って光線を一点に集めて治療することが出来ます。


 いずれのケースにおいても、大切なことは痛みのある所や自分がアプローチしたいところの周囲も治療するということです。たいてい痛みというのは痛みがある箇所だけの問題だけではなく、例えばアキレス腱の付着部に痛みがあるとしても、その上の下腿三頭筋の張りや凝り固まりなどから来ているケースがほとんどなので、そのあたりから順番に当てていき、患部の少し下くらいまで順に2-5分ずつくらい当てていくのが望ましいです。


 痛いとどうしても痛みのある個所ばかりやりたくなってしまうのですが、それではかえって痛みの治りが遅くなってしまいます。


LED型

 現在は体調管理、スポーツ選手のコンディショニング、育毛、肩こり、消炎、鎮痛、怪我の治療などなど含めてLED型のものが中心で、非常に広い守備範囲を持ちます。私も疲労の回復から睡眠の質を向上させる目的から、認知機能の向上から、痛みの治療まで結構幅広く使っています。現在のところは、禿げてきたらLLLTになんとかしてもらおうと今から計画を立てています。



 昔はレーザー型のものが中心だったのですが、LED型にシフトしてきたのには理由があります。LLLTについての研究が始まった当初は、ある程度の強いエネルギーを当てないと効かないと思われていました。ところが、研究が進むにつれて「あれっ、意外と家庭用の電球程度のエネルギーでも効くんじゃね?」ということが分かってきて、現在は価格帯もかなり幅広く色々な商品が出回っています。


2万円程度から30万円くらいのものまで使ってみた感想としては、安物だから効かないということは基本的にないということです。まあ、所詮はある波長の光ですから、コストは抑えようと思えば抑えられるのでしょう。そうでありながら、やはり耐久性、効果などは基本的に価格に比例するかなという印象です。日々のコンディショニングくらいなら大した違いは感じられないけど、いざという時の故障の治療とかになるとやはり高いのには訳があるという感じはします。なんか世の中の全ての電化製品について言えるようなコメントで申し訳ないです。


 さて、そんなLED型のメリットは何よりも照射面積を広くとることが出来るということです。ほぼほぼ上半身全部から、大腿部までカバーできます。贅沢しようと思えば、背面と全面両方にLED型のLLLTを設置してサンドウィッチにすることも出来ます。私はやったことはありませんが・・・


姿勢

LED型のLLLTを使用するにあたって問題となるのが、どのような姿勢で受けるのかということです。選択肢としては射撃と同じで立位、座位、伏位(寝そべる)の3つが考えられます(その他コマネチポーズなどもなしではない)。



 先ず立位から見ていくと、立った状態で治療を受けられるように専用のLLLTを販売している会社もあります。メリットとしては、機械の設置が簡単で全身に光を浴びることが出来るということです。実際にLLLTを使うにあたって一つの問題になるのが、どこに設置してどこで治療を受けるのかということです。縦長のLLLTを買ってきて、カレンダーでも壁にかけるかのようにかけて、そこに突っ立ていれば良いということであれば、どんなに狭い家でも手軽に使うことが出来ます。ですが、一日二回10分から20分突っ立ているとなると続けたいと思える人は少なくなってしまうでしょう。何事も続けることで効果は出ます。


 そうなると、次の選択肢は椅子に座ってということになります。この選択肢もある程度は現実的です。壁にLLLTをかけてそこに椅子をもっていって本でも読みながら、当てたいところに当てておけば、大丈夫です。私も仕事をしているときに足元にLLLTを置いて、ふくらはぎに当てながら仕事をしていることがよくあります。練習直後にそのまま仕事をする場合は特にそうです。座りながらというのもスペースの確保含めておすすめの方法です。


 そして、最後が寝た状態です。理想を言えば、寝ながら当てるのが望ましいと思います。理由は単純で全身の筋肉をリラックスさせていられますし、いつまでも当てていられるでしょう。また夜寝る前に、当てると睡眠の質が高まるので、布団の中で光を浴びてそのまま寝てしまうと最高に気持ちが良いです。場合によっては、寝てる間も頭に当て続けるというのもなしではないでしょう。



 寝ながらの場合は、ベッドの高さや機械の種類によって高さをうまく調節することがポイントです。意外とこれが難しかったりするのですが、一度設置したら、その後は引っ越さない限りはずっと使えるので、ホームセンターなどで適当な道具を調節してきて、棚を設けて棚の上に置いたり、壁に立てかけたり、天井からぶら下げたり、色々な工夫をしてください。


 なお姿勢に関わらず重要なのは、暖房器具のある部屋でやるということです。ほぼ裸で光を浴びることになるので、暖房器具がないと一年を通して続けるのはあまり現実的ではなくなってしまいます。


頻度

 頻度は週に20回がベストだという研究結果もありますが、よほどのことがない限り週に20回は現実的だとは思えません。一番大切なのは習慣化することなので、朝と夜の二回が望ましいでしょう。朝起きた直後にそのまま布団の中で少し浴びて、夜寝る前にすこし浴びるという感じでしょうか。私の場合は、夜寝る前が基本的に習慣化されており、後は適当に仕事をしながらふくらはぎに当てたり、本を読みながら気になるところに当てたり、昼寝をしながら当てたりと言った感じです。


時間

 一回当たりの照射時間は20分前後が望ましいとされています。これは効果と照射時間を調べた結果、5分間から20分間くらいまでは著しく効果があり、その後は逓減していくという結果になったからです。とはいえ、別に長く当てたら何か悪いことがあるかというとそうではありませんし、長く当てて頂いたら、長く当てていただいただけの効果があります。ただ、こういったものはやるかやらないかで大きく変わりますが、1時間よりも2時間、2時間よりも3時間と当てる時間を長くしていくと目に見えて効果が表れるかというとそうでもないということです。


 ちなみにですが、動物実験では2分間からでも効果が確認されています。ですから、結論から言えば、5分間から20分くらいの長さでストレスなく続けられる長さで続けることが大切だということです。


距離

 最後に気になるのが機械と体との距離でしょう。ここには一つのジレンマがあります。機械と体との距離が遠くなればなるほど、単位照射面積当たりの光子の量が減ってしまいます。一方で、距離が遠くなればなるほどより多くの範囲に照射することが出来ます。このあたりのバランスを考えたときに30㎝くらいから1mあたりがベストだろうと思います。局所的なアプローチをしたい場合は、体から離してより広範囲に照射した後にアプローチしたい場所(頭、顔、手首、膝)などにさらに照射するのが良いです。先述したように5分間でも効果はありますので、10分間一つの狭い範囲に照射するよりも患部と広範囲の両面に照射した方が良いのです。


 このことを実際に証明する事例として手首の関節炎を患っていた女性の話をしましょう。この女性の名前は仮に安藤さんとしましょう。この安藤さんは医者から関節炎の診断を受けて、LLLTを使い始め、毎日12分間の照射を実施しましたが、なかなかよくなりませんでした。そこで、上半身裸になって胸から下腹部にかけて上半身全体に光を浴び、炎症箇所のある手首を体の前にもってきて、手首にも光が当たるようにしました。


 その結果、彼女の関節炎はすぐに快方に向かいました。人間の体は一か所に痛みがあったとしても、全身で一つのシステムとして動いています。広範囲にLLLTを照射することで、広範囲にエネルギーの産生量が増大し(したがって、細胞レベルでの自然治癒力が促進され)、炎症反応が抑えられ、患部だけでなく、それ以外の炎症反応が抑えられるのです。具体的にはCox2酵素の反応が抑制されるからですが、それ以外にも細かい反応は色々と怒っています。いずれにしても、患部だけに当てても治りは遅いということです。


最後に

 体調管理やコンディショニング、故障の治癒や予防にLLLTは非常に有効な機械ですが、人間の体は先ずは食べ物が大切です。これは痛みがある場合も同様で、食生活を変えることで痛みが改善されるケースは多々あります。肌荒れや鬱、脳機能の低下などについても同様です。詳しくは「抗酸化と抗炎症とフリーラディカルについて」の記事と「健康的な油とそうでない油」の記事をご覧ください。


抗酸化と抗炎症とフリーラディカル



LLLTについてもっと詳しく知りたい方へ

 『詳説LLLT』という小冊子をご用意しております。下記のURLより問い合わせページに飛んで「LLLT」と入力して送信してください。折り返し資料をお送りいたします。


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ランニング書籍

講師紹介
​ウェルビーイング株式会社代表取締役
池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

​ウェルビーイング株式会社副社長
らんラボ!代表
深澤 哲也

IMG_5423.JPG

経歴

中学 京都市立音羽中学校

高校 洛南高校

↓(競技引退)

大学 立命館大学(陸上はせず)

​↓

大学卒業後

一般企業に勤め、社内のランニング同好会に所属して年に数回リレーマラソンや駅伝を走るも、継続的なトレーニングはほとんどせず。

2020年、ウェルビーイング株式会社の設立をきっかけに約8年ぶりに市民ランナーとして走り始る。

感覚だけで走っていた競技者時代から一変、市民ランナーになってから学んだウェルビーイングのコンテンツでは、理論を先に理解してから体で実践する、というやり方を知る。始めは理解できるか不安を持ちつつも、驚くほど効率的に走力が伸びていくことを実感し、ランニングにおける理論の重要性を痛感。

現在は市民ランナーのランニングにおける目標達成、お悩み解決のための情報発信や、ジュニアコーチングで中学生ランナーも指導し、教え子は2年生で滋賀県の中学チャンピオンとなり、3年生では800mで全国大会にも出場。

 

実績

京都府高校駅伝区間賞

全日本琵琶湖クロカン8位入賞

高槻シティハーフマラソン

5kmの部優勝 など

~自己ベスト~

3,000m 8:42(2012)
5,000m 14:57(2012)
10,000m 32:24(2023)
ハーフマラソン 1:08:21(2024)

​マラソン 2:32:18(2024)

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