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別大マラソンが失敗に終わってから気づいたトレーニングに関する根本的な過ち

 先日2月2日(日)、私は別府大分毎日マラソンに出走してきました。2時間27分40秒(3'30"/kmペースで走り切る)を目標に臨みましたが、結果はメルマガでもお知らせした通り、2時間49分7秒でした。


 非常に残念な結果で、その原因の多くは直前の体調不良やレース前の食事面などにあったのですが、果たして本当にそれだけが原因なのだろうか?と私は考えていました。


 というのも、どうもこのレース、前半の余裕度が少なかったのです。前半のハーフは1時間13分17秒で通過したのですが、正直その時点であまり余裕がありませんでした。ハーフマラソンの自己ベストタイム(1時間8分21秒)や、距離走やスピード練習など、これまでやってきた練習から考えたら、どう考えても余裕を十分に持てるはずの通過タイムです。


 にもかかわらず、前半ハーフ通過時点であまり余裕がなかったのです。果たしてこれを体調不良だけで片付けてしまって良いのだろうか?と私はずっと考えていました。


 しかし、改めて別大マラソンに向けた自分のトレーニングを振り返ってみても、特段の問題点は見当たりません。距離走に関しては、12月下旬に42km走を2時間44分で行けているし、1月に入ってからも35kmを3'40~45"/kmペースで2本、30kmを3'40"/kmペースで1本、仕上げに23kmを3'36"/kmペースで1本行けています。


 スピード練習に関しても3'20"付近で余裕を持てるくらいには十分に積めていましたし、何よりハーフのタイムから考えて、3'30"/kmで走ること自体はなんの問題もないはずなのです。


 ですが、結果は後半に大きくつぶれているのです。いや、その結果自体よりも、私は3'25~30"/kmペースで走った時に、何故あんなに余裕がなかったのかが理解できませんでした。


帰ってきて「あること」を進める中で気づいた根本的な過ち

 その後私は大分から帰ってきて、ある作業に取り掛かっていました。それは、新講義の作成です。今私は新たな講義動画「マラソン未経験から2年で2時間30分切りを達成して学んだトレーニングに関する7つのこと」を作っています。


 その講義動画の終盤で、私が実際に5000m、ハーフマラソン、フルマラソンのレースにピーキングをするならどういう手順でトレーニングを組んでいくのか?ということを画面共有で解説するというパートを入れました。


 このパートを作成するにあたっては、実際に私が丸々一回分の期分けをして、ピーキングをするのです。つまり、数ヶ月分のトレーニングメニューを全部組み立てるのです。


 ここで私は、これまでやってきたようなやり方でトレーニングメニューを作っていきました。そして、解説が終わり、弊社代表で私の師匠である池上秀志へと確認を依頼しました。


 すると池上から、トレーニングの組み方に関して以下のような指摘を受けました。


 「基礎構築期の練習の組み方がおかしい。深澤は基礎構築期にも高強度なトレーニングを週に2回入れているけれど、そもそも基礎構築期とは中強度のレベルを上げていくことが最も重要なことであり、高強度をそんなに入れたら中強度に集中できない。」


 そうなんです。私は、これまで基礎構築期の練習の組み方は基本的に、基礎スピードと基礎持久の両面からアプローチして、加えて低強度から中強度の距離走を週に一回入れる、みたいな流れにしていたのです。1週間のイメージでいえば、こんな感じです。


(月)休養

(火)中強度

(水)高強度*ファルトレクや登坂走など

(木)低強度

(金)中強度

(土)高強度*ショートインターバルなど

(日)距離走


 こういう組み方をしていたのには、訳があります。それは、私が本格的にトレーニングを開始し始めた今からちょうど2年ほど前、当時はまだショートインターバルなどをしても、目標とするマラソンペースが私にとってはそこまで速いペースではなく、疲労を大きくは残さずに済んでいたから、このように週に2回スピード系の練習を入れていても問題がなかったのです。


 要するに、今から2年前の私のマラソンの目標といえば、2時間50分を切ることくらいでしたが、そうなると1km4分ペースが基準になる訳です。ですが、当時から5kmは16分30秒は切るくらいの走力はありました。つまり、目標とするマラソンペース自体は余裕であり、それに準じて決めたスピードトレーニングも、そこまで負荷が高いものではなかったのです。


 ですが、あれからマラソンのレベルも上がってきて、今は目標のマラソンペースも3'30"/kmまで上がってきました。すると、そもそもマラソンペース自体の余裕度も下がってきているわけで、当然スピード練習で求めるレベルも上がってきます。


 そうなると、スピード練習の負荷も当時よりも今の方がさらに高くなっています。


 つまり今の私の練習スタイルが確立した2年前と今では、一つ一つのワークアウトの負荷のレベルが違っているのです。だから、それに合わせてトレーニングの組み方も考え直していかないといけなかったのです。


 ですが、私は2年前に確立したやり方のまま、トレーニングメニューを組んでいました。すると、基礎構築期の練習の組み方が、週に2回高強度なスピードワークを入れるような内容になっていました。


 しかしながら、基礎構築期で達成すべきことというのは、あくまで疲れにくく壊れにくい体を作ること。つまり、基礎体力を向上させることです。そのためには、徹底的に中強度のレベルを上げていくことが重要なのです。


 にもかかわらず、週に2回の高強度な練習を入れると、どうしてもそこからの回復の時間がより多く必要になってしまうので、中強度の頻度を上げられません。結果として、週の中に中強度走が2回と、あとは週末に低強度〜中強度での距離走が一回、合計で週に3回の中強度となり、週の半分も実施できないわけです。


 そして、思い返してみれば、これまでの2年間、基礎構築期はそういう組み方をしてきました。もちろん、これが決定的に間違っているわけではありません。基本原則である「レースより短く速い練習と、長くゆっくりの練習を組み合わせる」ということはしっかり踏まえている内容だと思います。


 ですが、年々基礎構築期においては、週の中に占める高強度の練習からの疲労がキツくなってきて、その分中強度走の密度が挙げられなくなりつつあったと思います。


 その結果として、今から一年前くらいと比べて、正直なところ中強度のレベルはあまり上がっていません。中強度のレベルが上がっていないから、インターバルのレベルも一年前と比べて上がっていません。


 だから、ハーフマラソン以下の距離に関しては、一年前と比べてもおそらくそこまで速くなっていないと思います。何故なら、中強度のレベルが上がっていないから、インターバルのレベルも上がっておらず、スピード持久的な余裕度も上がっていないからです。


 ただ、距離走だけはレベルが上がりました。それは一つは慣れてきたということと、あともう一つは昨年まで取り組んできた距離走に対して体が適応してきたということがあるでしょう。だから、フルマラソンに関しては一年前と比べても、今の方が絶対に速く走れる自信がありますし、またそういう練習もできています。


 ただ、おそらくですがここから先のレベルにいくためには、今のやり方ではダメだったと思います。それは実は、薄々感じていました。2時間25分くらいまでは、今のやり方でもいけると思っていましたが、それ以上行くには何かを変えないとダメだと感じていました。


 その根本的な部分こそが、基礎構築期における中強度を中心としたトレーニングの組み方だったのだと思います。だから、別大に向けた取り組みでは、一見特異期などレースに向けた佳境の時期の練習はうまくいっているように思えたのですが、実はもっともっと前の段階、土台作りの段階ではまだまだ改善の余地があったということです。


市民ランナーの方にも絶対に当てはまる「伸び代」

 そんなわけで、池上からの指摘を受けた私はそこから2回ほどトレーニング実例解説の部分の講義を撮り直しました。トレーニングの組み方も考え直し、池上からも遂にお墨付きをもらいました。


 今回池上からの指摘によって気付いた私のこの「粗(あら)」は、今後のマラソンのタイムを向上させる上でも非常に大きな意味を持つと思っています。ここに気づくことが出来なければ、おそらくですが次のシーズンから私は長いトンネルに入ってしまったような気がします。


 もちろん、まだその新しい組み方を実際にやったわけではありません。ですが、きっとうまく行くと思っています。何故なら、中強度のレベルこそが全ての練習につながる「鍵」であり、これまで強化しきれていなかったそこを強化することに集中できること、そして、中強度で培った基礎体力をその後の移行期、特異期でレースで使える仕様にするだけの練習の組み方は、すでに習得しているからです。


 そんな私の新たな発見は、間違いなく市民ランナーの皆様にも当てはまることだと思います。特に市民ランナーの方で、基礎構築期に本当の意味で強靭な土台作りをできている方は多くはないでしょう。


 私自身も、これまでの基礎構築期でもある程度しっかり基礎体力を上げられていると信じていました。ですが、今回の発見でまだまだ不十分であり、逆にいえば今回のトレーニング実例で解説したやり方をやっていけば、今後かなり記録が伸びる可能性があると希望の光を見た感覚でおります。


 実際、それはどのように組み立てていくのか、また、その後レースで使えるようにするには、どのようにトレーニングを移行していけば良いのか?ということまで、詳しくお見せしています。きっと市民ランナーの方にとっても、今後の取り組みに向けた新たな発見になることは間違い無いかと思います。


 そんなわけで、その私のトレーニングの組み方の実例解説まで含んだ新講義「マラソン未経験から2年で2時間30分切りを達成して学んだトレーニングに関する7つのこと」を、2月13日(木)から2月16日(日)までの4日間限定で販売させていただきます。


 ここから先は、その新講義動画についての紹介をさせていただきます。もしあなたが、ウェルビーイングの比較的初心者で、かつ今後長距離走やマラソンに長期的に取り組み、記録を伸ばし続けていきたいと考えるなら、率直に申し上げてこの講義はあなたのためのものです。 必ずこの先も続けてお読みください。


 今回の講義は、弊社からいつも出しているような、大学の講義もしくは学会レベルの講義(1万円〜数万円レベル)の講義ではなく、イメージで言えば中学校の授業、くらいの内容となります。つまり、これまで弊社の講義をあまり受講されたことがない方でも比較的理解しやすい内容となっています。


 とはいえ、内容的にはこれから長期的に走力を伸ばしていきたい方には、ぜひ知っておいていただきたいことをお伝えしていて、自信を持っています。


 なぜなら、この講義では私自身がマラソン未経験だったところからスタートして、たった2年で2時間30分を切るまでの過程で学んだ、トレーニングに関する非常に重要なエッセンスをあなたにお伝えするからです。


 今から4年前の2021年。私は池上秀志が経営するウェルビーイング株式会社に参画し、真剣なランナーさんの目標達成を叶えるお仕事に従事させていただくこととなりました。


 それをきっかけに、高校時代から数えて8年間のブランクを経て、自身もまた市民ランナーとして走り始めました。最初はたった20分間ジョギングをしたら筋肉痛で、少なくとも3日は走れないような状態からスタートしました。


 そんな状態からのスタートだったことに加え、高校時代までは5000mしかやったことがありませんでしたので、ハーフマラソンやフルマラソンは未経験でした。さらに、なまじ駅伝強豪校にいたので、基本は先生が作ってくださったメニューをこなすことしかやったことがありませんでした。つまり、自分で1から練習計画を立てて実行する、なんてことは、当初は何から手をつけたら良いかまるでわからないという状態だったのです。


 そんな状態からスタートして、私は2022年11月に初マラソンとなる神戸マラソンを、フラフラになりながら3時間16分でなんとか完走しました。このレースをきっかけに、私は本格的なマラソントレーニングを開始することになりました。


 この時頭の中で思い描いたゴールは「2時間30分切り」でした。当時の私にとって、フルマラソンで2時間30分を切るというのは、市民ランナーの中のトップ層だというイメージがあり、なんとかそこに辿り着けないものだろうかと願望を抱いたものです。


 それからは試行錯誤の日々が続きました。勉強して、実際に実践して、体からのフィードバックを得て・・


 そんな繰り返しを何度も何度も続けていった結果、ちょうど2年後の同じレース、神戸マラソン2024で2時間30分を切ることができました。


 この過程で私は、本命レースとしてのフルマラソンには合計5回出場しました。つまり5回ピーキングを回したということになります。


 毎回のピーキングで気付きがあり、反省をし、次に繋げる。そんな取り組みの中で私は、徐々に自分なりの黄金パターンと言いますか、必ず押さえておくべきトレーニングのポイントを掴んでいくことができました。


 そして、そのポイントは大きく7つに分けることができました。これは私だけではなく、きっと同じように目標に向かって努力を続ける市民ランナーの方には当てはまるものだと思います。


 この講義では、自分にとって最適なトレーニング計画を組むために重要な7つのポイントをお伝えし、さらに私がそれらのポイントをどのように用いてトレーニングを作っているのかまで話します。実際に私自身がどのようにトレーニング計画を作っているのか、5000m、ハーフマラソン、フルマラソンの3パターンにて実際に練習を組み上げていきます。


 つまりこの講義をご受講いただくことで、トレーニングに対して重要な概念を理解し、実際どのように長期的目線でのトレーニング計画を立てるのかというイメージを掴んで実践していただくことが可能になるでしょう。


 そんな今回の講義の具体的な内容は、以下のとおりです。


  • はじめに

  • 1:理論を先に学ぶことの重要性

  • 2:組み合わせで成せる技

  • 3:トレーニングに漸増性を持たせること

  • 4:期分けの重要性

  • 5:体の感覚を何よりも重視すること

  • 6:適応期間を設ける重要性

  • 7:スピード練習/距離走の効果的な取り組み方

  • 5000mのトレーニングの組み方実例

  • ハーフマラソンのトレーニングの組み方実例

  • フルマラソンのトレーニングの組み方実例

  • 最後に 


*約6時間の講義動画と、講義者の深澤が作成した5000m、ハーフマラソン、フルマラソンのピーキングメニュー実例PDFファイルをご提供 


 そして、あなたがこちらの講義を受講して得られるメリットは、以下のとおりです。


  • 数ヶ月から半年単位の長期目線でのトレーニングメニューを作れるようになる

  • 練習計画を作るときの手順に迷わなくなる

  • 繰り返し実践することで、半年、一年、二年と経つごとに走力がどんどん伸びていく  


 今回の講義の受講費用は、税込で5,000円とさせていただきます。講義には全額返金保証をつけさせていただきます。全てご受講いただいた上で、思っていた内容と違った、役に立たないということがあれば、お問い合わせページより返金請求をしてください。その場合は理由を問わず、全額返金させていただきます。


 お支払い方法はクレジットカード、ペイパル、銀行振込よりお選び頂け、お名前や講義をお届けさせて頂くメールアドレスをご入力頂くだけでたった5分ほどで完了します。


 クレジットカードとペイパルでお申込み下さった方は自動返信メールで、銀行振り込みをお選びいただいた方には入金を確認後、手動でメールにて講義をお送りさせて頂きます。


 キャリアメール(ドコモ、ソフトバンクなど)の場合はごくまれにこちらからお送りさせて頂いたメールがはねられてしまい、届かないことがあります。お申込み頂いた直後(10分以内)に注文の確認メールが届かない場合はお手数をおかけしてしまい、大変申し訳ございませんがこちらをクリックして、問い合わせページに入りその旨お申し付けください。  


 それでは、講義お申し込み可能期間の間に、ぜひこちらの講義を手に入れてご受講ください!


*2月13日(木)〜2月16日(日)までの4日間限定です


ウェルビーイング株式会社副社長

らんラボ!代表

深澤哲也



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ランニング書籍

講師紹介
​ウェルビーイング株式会社代表取締役
池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

​ウェルビーイング株式会社副社長
らんラボ!代表
深澤 哲也

IMG_5423.JPG

経歴

中学 京都市立音羽中学校

高校 洛南高校

↓(競技引退)

大学 立命館大学(陸上はせず)

​↓

大学卒業後

一般企業に勤め、社内のランニング同好会に所属して年に数回リレーマラソンや駅伝を走るも、継続的なトレーニングはほとんどせず。

2020年、ウェルビーイング株式会社の設立をきっかけに約8年ぶりに市民ランナーとして走り始る。

感覚だけで走っていた競技者時代から一変、市民ランナーになってから学んだウェルビーイングのコンテンツでは、理論を先に理解してから体で実践する、というやり方を知る。始めは理解できるか不安を持ちつつも、驚くほど効率的に走力が伸びていくことを実感し、ランニングにおける理論の重要性を痛感。

現在は市民ランナーのランニングにおける目標達成、お悩み解決のための情報発信や、ジュニアコーチングで中学生ランナーも指導し、教え子は2年生で滋賀県の中学チャンピオンとなり、3年生では800mで全国大会にも出場。

 

実績

京都府高校駅伝区間賞

全日本琵琶湖クロカン8位入賞

高槻シティハーフマラソン

5kmの部優勝 など

~自己ベスト~

3,000m 8:42(2012)
5,000m 14:57(2012)
10,000m 32:24(2023)
ハーフマラソン 1:08:21(2024)

​マラソン 2:29:44(2024)

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