突然ですがあなたは、週間や月間のトレーニングメニューをどのように組んでいますか?
例えば1週間という期間の中でも、ジョグや低強度のような楽な練習もあれば、中強度やスピードワーク、距離走などといった高強度な練習もあったりと、色々な練習の種類があるでしょう。
そして、こうした様々な種類のトレーニングを
どんな順番で組むのか
ということも非常に重要な要素。
人間の体は、同じ刺激ばかりかけていると段々その刺激に対して飽和状態になっていって、不適応を起こしていきます。
トレーニングというのは、やったら強くなるものではありません。むしろ、かけたトレーニングの刺激を体がしっかり吸収して、それに適応して初めて強くなるのです。
いたずらに負荷ばかりかけていくと、体がトレーニングの刺激に対して不適応を起こし、せっかくトレーニングしてもその効果を得られない、ということにつながります。
有名な世界的小説・映画「ハリーポッターシリーズの」ラスボスである「ヴォルデモード卿」という人物がいます。
彼の本名である「Tom Marvolo Riddle」※トム・マルヴォーロ・リドル
この文字を並べ替えると「I am Lord Voldemort」※私はヴォルデモート卿だ
となるシーンがありましたが、このように文字の並びを変えると全く意味が変わってくるのと同じで、トレーニングメニューも並び方を変えるだけで、全く違ったものになります。
それくらい順番というのは、大事なものなのです。その順番が適切でなければ、トレーニング効果を得るどころか、むしろただ疲労を溜めるだけになったりと逆効果になることも。
では、絶対に避けたい練習の組み方の順番とは、どのようなものなのか?今日はそのポイントについて、三つお伝えしていきます。
1:高強度な練習同士が近い
高強度な練習は、連続して行うことをお勧めしません。
というのもまず、そもそも高強度な練習を2日ならまだしも3日とか続けてやると、むしろ疲労も出て練習の質も落ちてしまい、本来の目的も達成できません。
また、できたとしても連続した高い負荷に対して、体が不適応を起こすことも十分考えられます。ですので、高強度な練習同士は、なるべく離しましょう。
例えば高強度な練習って、だいたい週二回程度になってくると思います。 水曜日と土曜日に高強度な練習を入れると、ともに中2〜3日開けられて良いでしょう。
2:距離走の翌日を高強度な練習にする
次にやっては行けないこととして、距離走の翌日を高強度な練習にする、ということがあります。
例えば、土曜日に距離走を入れて、その次の日にインターバルを入れる、という具合です。
これは基本的にうまくいきません。理由は二つあります。
まず一つは、動きの問題です。速い動きから遅い動きへと落とし込むのはやりやすいのですが、遅い動きから速い動きだとどうしても体が対応しづらいです。
そして二つ目に、距離走はなんだかんだで脚への疲労感も残りますし、翌日にスピードワークだと疲労が残って満足に実施できなくなるリスクもあるからです。
3:同じ刺激の種類ばかり入れている
極端な話、毎日10km走を同じペースでしている、みたいなやり方はあまり望ましくありません。
先述の通り、人間の体は同じ刺激を連続してかけ続けると、段々と不適応を起こしていきます。それを防ぐためには、できるだけメリハリを入れましょう。
具体的には「長・短」と「速・遅」です。
まず「長・短」に関しては、毎日同じ距離ではなくて、10kmの日もあったり20kmの日もあったり、はたまたリカバリーで5kmの日もあったりと、距離の面で違いをつけるということです。
そして「速・遅」に関しては、この距離に応じてペースを変えていくということです。
距離が長くなるほどもちろん走れるペースは遅くなりますから、ここは必然的に決まっていきます。
実際の例はこんな感じ
以上三つの観点を盛り込んでいくと、自然にバランスの良い週間スケジュールや、月間スケジュールになります。
実際に例として、私自身のある典型的な1週間の練習メニューを記載します。
(月)休養:6kmジョグ
(火)中強度:16km
(水)高強度:1km×10~12本
(木)休養:10kmジョグ
(金)低強度:16km
(土)中〜高強度:12km
(日)距離走:30~35km
こういったイメージです。
また、もちろんこれは基礎構築期なのか特異期なのか、調整期なのかによっても、かなり変わってきます。
ぜひ、今回のお話がトレーニングメニューの組み方を考える上で、参考になれば幸いです。
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ウェルビーイング株式会社副社長
らんラボ!代表
深澤哲也
PS
ご参考までに、私が市民ランナーになった時から現在にかけての総力の変化もこちらに記載します。
(3年前)
・5km→18分40秒
・10km→40分ちょっと
・ハーフマラソン→1時間28分25秒
↓↓
(現在)
・3km→9分3秒
・5km→15分35秒
・10km→32分24秒
・ハーフマラソン→1時間08分21秒
・マラソン→2時間32分18秒
もちろん、ここまで記録が伸びる過程で取り組んだことは一つや二つじゃありません。
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