あなたは秋から冬にかけて、本命のマラソンレースは控えていますか?
もし控えているなら、この夏場の時期はきっと、あなたにとって重要な土台づくりの時期だったのではないでしょうか?なぜなら、例えば11月後半にレースが控えていたとしたら、そのレースで結果を出すために10月から11月にかけては目標のレースペースに非常に近い練習をしっかりこなしていく必要があり、そういった練習をしっかりこなすためには、その前段階としてそれができるだけの強靭な体を作っておく必要があるからです。つまり、レースからまだ時間がある夏の時期の間に、みっちりと密度の高い練習をすることで疲れにくく壊れにくい体を作っておくことが大事なのです。
そして、もしこの夏場の土台作りをある程度でも頑張れたなと思われる方は、きっとこれからの時期こう思うことでしょう。
「せっかくこのクソ暑い中にこれだけ走り込んだんだから、報われてくれよ〜!!!」と。
わかります、わかりますよ。私だって全く同じこと考えてますから。というか、これまでの陸上人生を振り返ってみても、夏場というのは大概走り込みの時期にしていたわけですが、夏に頑張って走れた時ほどそれに対する報いというのが欲しくなるものです。今年は市民ランナーになってから、夏場に過去1番の距離を走り込んでいますが、そんな私の今の胸中はまさにその想いです。暑い中走るのは決して楽じゃないですし、今日は走りたくないなあなんて日も何回もありました。でも走りました。それはそうしたら11月の神戸マラソンで2時間30分が切れると信じているからです。
以前からメルマガや動画などでも何度も話している通り、マラソントレーニングを考える上で最もベースになるのは土台作りです。だから土台作りがしっかりできた時点で、結果が出る可能性はある程度高いと思います。ただ、土台作りさえすれば結果が出るのかというと、それもまた違います。むしろ、土台作りをした「後」が大事です。
というのも、そもそもトレーニングというのは大原則として「一般性から特異性へと徐々に移行させる」ということが重要だからです。土台づくりのトレーニングはいわば「一般性の高い練習」です。言い換えると、基礎的なトレーニングだということであり、そのままレースに使える練習ではないということです。もう少し平たい言葉で言えば、レースからはかけ離れた練習だということです。
だからこそ、夏場に作った土台の部分を、秋が深まってレースが近づくにつれて徐々に徐々にレース仕様に変換していく必要があります。トレーニングの最終目的の一つは、質の高い練習の量をいかに増やせるかです。つまりスピード面で言えば例えば3km×4本とか、2km×6本とか、1km×12本とか、合計疾走距離が12km程度までいきたいところです。そして距離走に関しても、マラソンに向けて行うなら最終的には40km走までやっておきたいところです。それも、レースペースの90%~95%程度でやれるといいです。
ですが考えてみてほしいのは、ついこの前までじっくり走り込むようなランニングをたくさんやっていたり、スピードは200mなどのショートインターバルだけやっていたみたいな状況から、いきなりそういった長い距離のインターバルや距離走ができるか?ということです。おそらく難しいでしょう。もしできたとしても、果たして体がそのトレーニング刺激をちゃんと受け入れることができて、その刺激に適応できるかどうかは別問題です。せっかく苦労してこなしたとしても、体がその練習に対してキャパオーバーしてしまうと、消化不良を起こしてしまい、効果を十分に得られないのです。
ですが安心してください。そうならないために存在している時期というのがあるのです。それが「移行期」というものです。世の中なんでもそうですが、物事を大きく動かすときには必ず移行期間というものがありますよね?たとえば2011年にテレビ放送がアナログ放送から地上波デジタル放送に変わった時も、何年も前から告知されて移行期間があったと思います。物事はいきなり0から100に移行することはないのです。
これはトレーニングに関しても全く同じであり、レースからかけ離れた刺激を行っている夏場のトレーニングのような状況から、いきなりレースに近い練習をやっていくというのは非常に無理があります。意識は大丈夫でも、体は少なからず拒絶します。ではどうするかというと、移行期間を設けてトレーニングの内容を徐々に徐々に変えていくという手段を取るのです。
実際、土台づくりの時期からレースの時期にかけて、全く移行期を設けない実業団チームや駅伝強豪校はないでしょう。私が在籍した洛南高校でも、移行期なるものは確かに存在しました。洛南高校の時は7月後半から8月いっぱいにかけて完全に土台づくりの時期だったのですが、9月に入ると週を追うごとに練習内容が変化していきました。当時はあまりその意図がわからぬままに、恩師の立てたトレーニングスケジュールをこなしていただけでしたが、良くも悪くも恩師の言う通りにやっているとしっかり調子を上げるべき時期(11月〜12月)に調子が上がってきていました。逆に、その辺の意図を理解せず、ただ強くなりたい一心で9月から10月も恩師の作ったメニューに+αを加え出した高2の時は、疲労が抜けずに11月になっても12月になっても調子が上がってくることはなく、結局なんの成績も残すことができずに終わりました。
ここまでの話で何がいいたいかというと、つまり夏場に走り込めた方にとってこの9月から10月にかけての練習というのは非常に重要な意味を持つということです。鍛えるという意味もありますが、それ以上に夏場に作った土台をレース仕様に仕上げていき、調子を上げていくためにとても大きな意味があるのです。
今回はそんな9月から10月にかけての練習で押さえておくべき重要な4つのポイントをお話ししようと思います。
1:質の高い練習の量を増やす
9月に入ったら、徐々に質の高い練習の量を増やしていくことを心がけましょう。先述の通り、もし秋から冬にかけてフルマラソンで結果を残したいのであれば、最終的にはスピード面では2km×6本とか、3km×4本といったような変化走またはロングインターバルのような練習をしたいです。持久面で言えば、レースペース90%~95%の強度で40km、できれば35kmまでは練習でやっておきたいところです。
ただ、夏場の練習を思い返してみてください。夏は暑いです。どう頑張ってもペースが上がりません。加えて、一回で長い距離を走るのが苦しくもある時期です。そう考えると、夏場はどうしてもなかなか35kmとか40kmに取り組んだり、ロングインターバルするのが難しいです。
それ自体は問題ないです。だからこそ夏場は一回あたりの距離はそこそこでいいから、密度高く走ることが大事なのです。例えばコンスタントに20km走れるようになるとか、あとは基礎スピードを上げておくという意味で200mや300mのレペティション、また坂道を使って登坂走をしたり、といった、内在的負荷を重視した練習をするのが大事です。
ただ、夏が終わって涼しくなってくる9月から10月にかけては、インターバルの疾走距離は徐々に延ばしていきたいところです。200mから400m、400mから800m、800mから1000m、といった具合です。そして同時に、休息も短くしていきたいです。
さらにもう一点、本数を増やしたいです。400m×20、1000m×12、といった具合で、合計本数を増やしていくのです。これはつまりレースに近づけていくということです。もちろん、疾走距離が長くなって、休息も増えて、本数も増えるなら疾走区間のペースは落としていくべきです。これがミソです。スピード練習だからといってガンガンスピードを上げるのが正解なのではなく、最終的にはレースに近いペースに体を慣らしていくことが大事なので、ペースに関してもレースが近づくにつれて徐々にレースに近づけていくべきなのです。その移行をしていくのが、9月から10月にかけては大事です。
なお、一つ注意点としてお伝えしておきたいのは、質の高い練習の量を増やすというのは、質の高い練習の頻度を増やすということではないということです。週2回やっていた高強度な練習を週3回とか週4回にするという意味ではないということは覚えておいてください。
2:持久走の強度を上げていく
9月に入ったら、徐々に持久走の強度が上がっていくと良いですね。単純に涼しくなることもあるし、あとは疲労が抜けてくると自然に上がってくることもあると思います。特にポイントになるのは、「内在的負荷は同じなまま、中強度走のペースが自然に上がる」ということです。無理に上げようとするのではなくて、あくまで涼しくなってきて疲労が抜けてくることで、中強度のペースが自然に上がってくることを目指します。
また、レースに徐々に近づいていくわけなので、徐々に高強度な日と低強度な日のメリハリが大きくなっていくかと思います。それにより、合間の日にあたる中強度走のペースも自然に上がっていくということになれば、状態としては徐々に上がっているということが確認できるでしょう。
なお、ここについても一点注意点で、これはあくまでも「つなぎ」の日の持久走に関するお話しです。休養のためのジョグとか、低強度走の強度を上げていく必要はありません。このような練習はあくまで主たる目的は「回復」ですからね。
3:距離走の量、ペースを上げていく
先ほど1つ目のポイントのところでスピード面に関することを書いたのですが、これは持久面に関しても同様です。
距離走に関しては、一回あたりの走る距離を徐々に長くしていきたいです。夏場に20kmまでしか走っていないという場合であれば、まずは25km、次に30km、32km、35km、といった具合で、徐々にマラソンの距離に近づけていきます。そして距離を増やしたいところまで増やしたら、ペースもマラソンペースに近づけていきます。このようにしてスピード面、持久面両方の側面から、練習をレースの形態に徐々に近づけていくのが9月から10月の練習で大事なポイントになります。
注意点としては、質と量は同時並行では上げないということです。必ず先に「量」を上げてから、次に「質」を上げていってください。これを同時に上げようとすると、故障やオーバートレーニングに陥るリスクが一気に跳ね上がります。そのようなことになる時というのは、往々にしてトレーニングレベルを上げている移行段階であるということはぜひ覚えておいてください。
4:疲労を抜いていく
特にこの9月~10月にかけては、夏の間に溜め込んだ疲労をいかに抜いていくかということも非常に重要なポイントになります。
ここでいかに早く疲労が抜けるかどうかで、11月以降のパフォーマンスが変わってきます。先述の私の洛南高校時代の例でもお話ししましたが、この9月から10月にかけてしっかり夏の疲労を抜いておかないと、本当に秋以降の調子が上がりません。
特に気をつけていただきたいのは内臓疲労です。夏の間にしっかり練習量を増やした場合は、少なからず胃や腸に負担がかかることで内臓疲労が溜まっているでしょう。長距離ランナーにとっての胃や腸はまさにエンジンそのものです。夏場は中核体温を下げるために冷たいものを摂取することもメリットはありましたが、9月から10月にかけてはなるべく温かいものを摂取して、内臓を回復させることに努めましょう。
また、トレーニングに関しても、夏場は頑張る日と休む日のメリハリを少なくするのが理想的でしたが、これも9月から10月にかけては徐々に徐々にそのメリハリをつけていって、休む日は休むというようにしましょう。疲労が抜けるのが1週ズレるとレースに間に合わないということもあり、微妙な匙加減が求められる繊細な世界なので、ぜひ覚えておいてください。
さらに、押さえておきたいポイント
今、トレーニングに関する4つのポイントをお話ししましたが、他にも押さえておいていただきたい細かいポイントはいくつかあります。例えば、、
・9月時点のトレーニングでは、まだ内在的な負荷を重視すること
・走行距離をいきなり減らさないこと
・レースから逆算して余裕を持ったスケジュールを組むこと
・練習密度は初めは高く、徐々に抑える
・基礎構築期以上にリカバリーには気を遣うべし
このようなポイントが挙げられます。これらいずれも適当にしてはうまくいかないポイントであり、9月から10月のトレーニングを組む上ではこういった点も考慮に入れながら、かつ実際にやりながら体の反応を見ながら練習をうまく調整していくことが重要です。
いかがでしょうか?夏場から秋にかけての移行期というのは、実はこのように抑えるべきポイントがいくつかあるのです。もちろんこれら全てやらないとダメということではありませんが、ただこのような要素を複合的に勘案しながら練習を調整することで、疲労の抜け方を最大限にして、かつレースからまだ少し時間はある9月から10月という時期に最後の鍛錬を積むこともできます。そう、この時期って色々な意味で「絶妙」なんですよね。
そして、そんな移行期の練習のポイントをさらに網羅的に解説した講義を今回新たに作成しました。講義のテーマは「夏の走り込みが報われて 秋のレースで飛躍する! 9月から10月にかけての マラソントレーニング戦略」です。
この講義は、秋から冬に目標とするフルマラソンのレースを控えていて、そこに向けて夏場にしっかりと走り込むことができた!と思う方にこそご覧いただきたい内容です。なぜならここでは、夏場に走り込んだ成果を秋のフルマラソンで最大限発揮するために、9月から10月にかけてはどういう練習をすれば良いのか?ということについて約3時間半にわたって網羅的に解説しているからです。
内容的には深く探求したり、深く追求するというようなものではなく、さわりの部分をザーッと約3時間半にわたって網羅的に解説しています。具体的な講義内容は以下の通りです。
はじめに(19分13秒)
9月から10月とはどういう時期?
そもそも移行期とは??
本講義の目的とゴール
第一章 移行期概論(44分00秒)
移行期のトレーニングの原則
移行期の位置付け
移行期で果たすべき事柄
移行期を設ける意味
移行期を設けるべき期間
絶対に意識して欲しいこと
第二章 移行期の練習のポイント(19分46秒)
その1:質の高い練習の量を増やす
その2:持久走の強度を上げていく
その3:距離走の量、ペースを上げていく
その4:疲労を抜いていく
第三章 移行期でこれだけは押さえよう(23分05秒)
その1:内在的な負荷を重視すること
その2:走行距離をいきなり減らさないこと
その3:レースから逆算して余裕を持ったスケジュールを
その4:練習密度は初めは高く、徐々に抑える
その5:基礎構築期以上にリカバリーには気を遣うべし
第四章 移行期の練習をどう考えるのか(59分26秒)
基礎構築期と移行期の練習の違い
移行期の中での練習の違い
移行期と特異期の練習の違い
参考:昨年の深澤の例(11月23日の福知山マラソンまでの流れ)
第五章 こんな時はどうする?(23分11秒)
思ったより暑さが長引く場合
レースはどのタイミングで入れる?
土台作りがあまりできていないケースではどうする?
うまくいかない移行期の練習のやり方は?
最後に(10分30秒)
※約3時間30分の講義動画と講義資料のパワーポイントをPDF形式でご提供
そして、こちらの講義動画を受講して頂くあなたのメリットは以下の通りです。
・大雑把に9月、10月に何をするべきなのか、その方向性が理解できる。
・具体例や個別の事例を学ぶことで迷った時の参考になる。
・迷わずに自分のやるべきことを理解し、秋から冬のフルマラソンで好記録が出せる。
こちらの講義の受講条件ですが、三つだけあります。
・程度の差こそあれ、夏場に土台作りがある程度できている
・秋から冬にかけてフルマラソンで記録を狙っている
・池上の講義ほど深く掘り下げていなくても不満を持たない。こちらの講義は基礎的なことをさらっと満遍なく解説しているものであることを理解している
以上一文にまとめると、こちらの講義は夏場に土台作りがある程度できており、秋から冬のフルマラソンで好記録を狙っており、難解な講義ではなくさらっとさわりの部分を満遍なく学びたい方の講義です。
そんな内容のこちらの講義、たった3300円の自己投資で受講して頂けます。9月2日(月)までの三日間限定販売とさせていただきます。
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それでは、夏場の走り込みから報われたい、秋から冬のフルマラソンで好記録を出したい方は、今すぐにお申し込みください!
よくある質問
質問:講義者は誰ですか?
回答:講義者はウェルビーイング株式会社副社長の深澤哲也です。洛南高校時代には京都府高校駅伝区間賞を獲得し、高校引退後8年のブランクを経て今は自身も市民ランナーとして真剣に走りながら、真剣なランナーさんが劇的成長する為の情報発信、メールサポート、練習会の運営などを手掛けています。自己ベストは、マラソンは2時間32分18秒、ハーフマラソンは1時間8分21秒、自身が運営するYouTubeチャンネルらんラボ!は35,000人以上の方にチャンネル登録いただいております。最近は中学生の陸上部員の指導も行い、直近3年間で2024年の全国中学陸上800mで準優勝の石原向規くんをはじめ全国大会出場者2名、滋賀県チャンピオンを3名(男子2名、女子1名)育てています。
質問:全額返金保証はついていますか?
回答:今回も全額返金保証をつけております。万が一、受講後にご満足いただけなければ理由を問わずに喜んで全額返金させて頂きます。ですが、そのようなことにはならないでしょう。弊社の他のお客様半分程度の満足度でも絶対にご満足いただけます。
質問:講義はどのような形で受講するのでしょうか?
回答:お申込み下さった方にはメールにてPDFファイルをお届けさせて頂きます。そのPDFファイルの中に講義動画の中にURLが記されておりますので、そちらをクリックしてご視聴ください。
質問:倍速再生は出来ますか?
回答:はい、出来ます。
質問:ウェルビーイング株式会社とはどのような会社ですか?
回答:ウェルビーイング株式会社は、かつてプロランナーとして大阪マラソンを日本人トップで走った池上秀志が2020年に立ち上げた会社です。
オンラインにランナーの為の日本一の学び場を作り、無料コンテンツは月間数万人の方にご利用頂き、有料コンテンツは過去3年間でのべ5000人以上の方にご利用いただき、ロンドンオリンピック男子マラソン代表の藤原新さんを筆頭に「ここでしか学べない質の高い講義」との好評価を頂いております。
ウェルビーイング株式会社のスタッフは大阪マラソン日本人トップの池上代表取締役をはじめとし、京都府高校駅伝で区間賞を獲得し、800mの滋賀県中学チャンピオンの佐藤煉君を育て上げた深澤哲也副社長、経理担当には1500mの千葉県チャンピオンでマネージャーとして名城大学女子駅伝部の二年連続全日本大学駅伝優勝を支えた早乙女晴香(現斎藤晴香)がいます。
質問:講義内で分からなかったところは深澤に質問出来ますか?
回答:はい、出来ます。お申込み下さった方にはメールアドレスをお渡しいたしますので、疑問点はいつでもご質問ください。
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