こんにちは!ウェルビーイング株式会社副社長の深澤です。
今回は私が2023年8月から2024年2月までの半年間のトレーニングで、マラソンのタイムを2時間47分から2時間32分まで短縮することに成功した一番の秘訣について書いてみたいと思います。
早速ですが、私が昨年のマラソンシーズンの中で最もうまく行ったことは、トレーニングを一般性から特異性へと段階的に移行していくということです。これは陸上競技におけるどんな種目をメインにやるにしても共通する原理原則の部分なのですが、とにかくトレーニングで最も大事なのは、練習内容を一般性の高いものから始めて、徐々に徐々に特異性へと移行していくことです。
一般性の高いものというのはつまり、どの種目を走っても通用する力をつけることです。例えば、5000mレースからフルマラソンまで、どれにも通用するような力を身につけていくような練習であり、これは突き詰めて考えると結局は以下の2種類の練習に収束します。
・レースより短い距離を速く走る
・レースより長い距離をゆっくり走る
よく勘違いされることとして、質の低い練習が基礎練習で、質の高い練習が実戦的練習だということがあるのですが、これは間違いです。基礎練習でも質の高い練習は入っていきます。例えば、フルマラソンの選手にとって、200m×25 本というトレーニングは質は高いですよね。しかし、これがフルマラソンにとっての実戦的なトレーニングかと聞かれると、そんなことはないと思います。なぜなら、フルマラソンというのは、42.195km を休まずにどれだけ速く走れるかというスポーツであり、200mごとに休息を入れるというものはフルマラソンから考えるとかなりかけ離れたことをしているからです。
でも、なぜこういう練習をやるのか?ということですがそれは、レースペースよりも速い動きに体を慣らしておくことによって、最終的に目標とするレースペースに対して余裕が生まれるからです。だからこそ、マラソンランナーであってもショートインターバルもやるし、登坂走もやるのです。
そしてもう一方のレースより長い距離をゆっくり走るというのは、要するに基礎的持久力を養うために行います。これは、レースで目標の距離を目標のレースペースで走り切るための脚の筋持久力を養ったり、あとはそもそもより多くのトレーニング刺激に対して体が適応できるようになるための基礎体力作りのためでもあります。
そして、もう一つ忘れてはいけないのは、目標とするレースが近づくにつれて、トレーニングは特異的なものの重要性が上がり、それ以外のものは重要性が下がるということです。つまり、レース刺激からかけ離れたようなショートインターバルなどは、レースが近づいてきたらむしろ重要度 が下がってくるので、省いていかなければなりません。その代わり、よりレースに近いテンポランであったり、ロングインターバル、距離走、変化走に集中していきます。基本はこの一般性から特異性への移行が全てであり、そしていかにレース当日から逆算して、時期ごとにどういうことをするのかということを決めて、滑らかに移行していけるかどうかです。
この一連の作業をピーキングという風に言いますが、あるレースに向けて本当に最高の状態を作るためには、やはり最低でも3ヶ月、できれば半年ほどの時間をかけることが望ましいです。
私は昨年、大阪マラソン2024 で2時間30分を切るために、半年の時間をかけて準備をしました。そして、準備の始まりである8月の時点で、すでに大阪マラソン当日まで、どの時期にどういう練習をやるのかということは決めていました。もちろん細かい部分はやりながら修正を加えていきましたが、大まかな部分はすでに最初の時点で決まっていたのです。
だからこそ、大阪マラソン2024までの半年間、私はトレーニングの方向性に迷ったことは一度もありませんでしたし、ある意味ではとても楽でした。事前に決めたことを、決めた通りに淡々とやっていった。ただそれだけだったのです。結果的には僅かに目標には届かなかったのですが、大事なのは着実に前進しているということです。私はこの半年間の取り組みを通じて、マラソンが2時間47 分から2時間32分まで速くなりましたし、次のスタートは2時間32分からだということがとても大きいのです。最終目標は今のところ、2時間20分を切って、ウェルビーイングオンラインスクールの最高の実験結果になるということですが、そこに向かって着実に前進したというのがとても大事なのです。
そして、これはぜひこの記事を読んでくださったあなたにも取り組んでみてほしいことです。ある一つのレースを最大目標と定めて、そこに向けて本気でピーキングして、体を作っていくという体験をしてみてほしいのです。もちろん、そこに向けて必ずしも一直線にうまくいくわけではありません。途中で故障したり、病気したり、オーバートレーニングになることもあるでしょう。しかし、大事なのは、ある一つのレースに向けて3ヶ月から半年くらいかけて、本気で準備して臨んでみるという、一つのサイクルを回してみることです。一回でもこのサイクルを回してみると、必ず感じることがあるはずです。
ということで今回は数ヶ月から半年というちょっと長めのスパンで記録を大きく伸ばすために最も重要な秘訣についてご紹介させていただきました。「引退」という概念がない市民ランナーにとって、ランニングはまさにライフワーク。長く楽しく続けていくためには、やはり毎年少しずつでもいいから着実に前進するということがとても重要であり、その為には本日ご紹介したような考え方というのはとても大切な部分になってきます。
そして、実は今日紹介した内容のほとんどは、拙著「2時間47分から2時間32分まで17分短縮した半年分のトレーニングの振り返り解説集」の中から抜粋したものです。本書は2023年の8月から2024年の2月の大阪マラソンまで、約半年間にわたるトレーニング内容を全て公開し、毎週毎週欠かさずに振り返り解説をするという私のメルマガの内容を一冊の電子書籍にまとめたものです。
その文字数はなんと8万字を超え、総計289ページの内容になりました。本書の中では、一般的トレーニングから特異的トレーニングまでどう繋げて、どのようにレース仕様に仕上げていったのか?ということまで全て公開しております。本書をお読みいただくことで、土台づくりの練習からレース仕様に仕上げていく練習まで、こんなイメージでやっていけば良いのか、というイメージを掴んでいただくことが可能になります。
こちらの電子書籍は通常一冊1000円(税込)で販売しているのですが、今日このブログをお読みくださったお礼として、あなたには特別に無料でプレゼントさせていただきます。お受け取りを希望される方は、今すぐ下記よりメルマガ登録して、電子書籍をお受け取りください。
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ウェルビーイング株式会社副社長
らんラボ!代表
深澤哲也
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