こんにちは、ウェルビーイング株式会社代表取締役で、Kimbia Athleticsの池上秀志です。今回のテーマは、ズバリセックスです。一流アスリートや一流経営者は、飲み物、食べ物に気を使います。睡眠にも気を使います。当然、セックスについても考えるべきではないでしょうか?
有名な話は瀬古利彦さんが、現役時代、レース十日前からは、ひたすらセックスを我慢していたという話が有名です。また、瀬古さんの指導者である中村清先生がまだ存命中は、夢精を除いて全ての射精は禁じられていたとも言われています。他にはV9巨人軍では、首脳陣が選手のセックスの回数まで把握していたとか、先発ピッチャーの奧さんには登板日前日にはセックスをしないように通達していたとの話もあります。
またスポーツ以外では非暴力・不服従で有名なマハトマ・ガンディーが後年、禁欲主義を主張したのは、若い頃セックスに耽溺し、それを反省したからだとも言われています。もっと古くは江戸時代に貝原益軒が書いた『養生訓』にも過度な性交は体に良くないと書いてあります。
ちなみに私の周りでの、一番面白いエピソードは、彼女や奥さん以外の女性とのセックスが、テストステロン値を上げるというまことしやかな話を聞いたある選手が、試合前日に女友達に頼み込んで、コトに及んでから、試合に臨んだというエピソードです。
先日お亡くなりになられた野村克也さんがまだ現役の頃、南海ホークスと西鉄ライオンズがパリーグでしのぎを削っていた時代のエピソードもあります。南海ホークスの主力選手、四番で捕手の野村さんとエース杉浦投手が、酒場にいたところ、たまたま西鉄ライオンズの主力遊撃手の豊田泰光さんがいました。場所は博多で、西鉄ライオンズのホームグランド、野村さんと杉浦さんは、豊田さんにお気に入りの女の子がいるんだけど、なんとかならんかと頼み込みました。そこで、豊田さんは二人に「一回店を出てから、君に会いたくて戻ってきたとでも言ってみろ。きっと上手くいく」と言いました。
そして、二人が店を出た隙に豊田さんはその女性二人を呼んで、お金を渡し「明日試合ができんくらいクタクタに疲れさせてくれ。そうやな、最低三回は頼む」、再び店に戻ってきた野村さんと杉浦さんはそれぞれ意中の女性を口説き落とし、夜の街に消えて行きました。
ところが次の日、打っては野村さんが本塁打二本、投げては杉浦投手が西鉄打線を封じ込め、南海が快勝、野村さんと杉浦さんは知ってか知らずか、「トヨさん昨日はありがとう」とお礼に来たそうです。
さて、そんな色々なエピソードがあるセックスの話ですが、実は栄養や睡眠に比べると、圧倒的にデータが少ないのが、この分野です。ただ、様々なデータを元に結論から言えば、面白いことに男女で正反対の結果が出ています。データを取るからには、明確な基準が必要なのですが、男性の場合は射精が基準になり、女性の場合はオーガズムが基準になります。要するにこのケースにおいては、クリントン大統領のように、射精さえしなければ辞書的な意味におけるセックスはしなかったという主張は通ることになります。
では、男性と女性のセックスが体に与える影響が正反対になる根拠ですが、これはホルモン分泌の違いです。女性の場合は、オキシトシンという幸福ホルモンが多量に分泌され、体内の炎症レベルが下がったり、肌が綺麗になったりと色々好影響を及ぼします。先述の中村清先生が、東ドイツの研究では、女性の場合、レース前日のセックスは心身ともに好影響を与えると言っていたそうですが、その先見の明には恐れ入るばかりです。
一方、男性の場合は、射精をすると男性ホルモンの分泌量が下がります。ある研究ではそのサイクルは7日間で、7日間射精しないと、その間男性ホルモン(テストステロン)の分泌量が上がり続けます。7日以上射精しなかったケースでは、それほど違いは見られなかったようです。
そして、ホルモン分泌が変わる結果、男性の場合は、主観的なやる気が下がります。もちろん、ひどく落ち込むというほどでもないのですが、炎のように燃える情熱は失われてしまいます。逆の言い方をすると、禁欲をするとモチベーションやエネルギーが向上します。これを精神科医のフロイトは昇華と名付けました。昇華というのは、満たされない性欲を他のエネルギーへと向けることです。分かりやすい例で言えば、失恋の後に仕事や勉強や部活に燃えるパターンなんかがそうですし、あとは恋心は胸に秘めて、その思いを勉強や部活や仕事にぶつけるというのもそのパターンです。
確かにこうやって見ていくと、恋心も恋人も配偶者もほったらかしにして、理想に心を燃やすのは、女性というよりも男性のようなイメージがあるのですが、あなたはどうでしょうか?男は禁欲した方が、エネルギーレベルが上がるというのは、なんとなくそんな気がします。
ちなみにですが、あなたはお金持ちの男性にどのようなイメージを持っておられるでしょうか?大きな家に住んで、豪邸に住み、奥さんだけではなく、愛人がたくさんいるというイメージでしょうか?そんなイメージが一般的かもしれません。
ですが、アメリカで行われたアンケート調査の結果は少し違います。実は収入の多い富裕層は、セックスの回数が少なく、浮気の回数も少ないことが分かっています。理由の一つは、富裕層の平均年齢が高いことでしょう。しかしながら、理由のもう一つは、意識的か無意識的かはわかりませんが、昇華を上手く使い、性欲を仕事へのエネルギーに上手く変換しているのだと思われます。
さて、もちろん試合の前日にセックスをしたからといって男性の成績が著しく低下し、女性の成績が著しく向上することはないのですが、自分のパフォーマンスを上げるために些細な努力も惜しまないあなたには、今回の内容はぜひ知っておいて頂きたい内容です。
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