「マラソン サブ3 トレーニング」
インターネットでこんな感じで調べると、無料で山ほど情報が出てくるのが現代社会。
実際どういうことが書いてあるのか?ちょっと読んでみると、う〜んなになに?月間300kmは走りましょうと言っている人もいれば、月間100kmでも十分なんて声もある。練習の中身についても、レースペースよりも速い練習をガンガンやってあとは休むみたいなものもあれば、ペースは遅くてもOK!ジョギングをしっかり重ねていけばサブ3はできる、みたいなものまで。
なんか、人によって言ってることが全然違うなあ、、と、こんな風に思った事はありませんか?特に、ネットやYouTubeで手軽に情報にアクセスできるからこそ、よくある話だと思います。
そんな中で色々と情報を集めては試し、うまくいくものもあればそうじゃないものもある。こういうことを繰り返していくうちに、ある疑問が浮かびます。
一体、何が正しいのか?何を信じたらいいのか?
実際、ネットにも良い情報はもちろんあります。ですが、間違ったものもあります。どういう情報を信じるにせよ何より重要なのは、そもそも原理原則はなんなのか?誰にでも当てはまる「ベース」となる情報はなんなのか?ということです。
「サブ3のためのインターバル」
「サブ3のための30km走」
このような情報はあくまでも方法論に過ぎず、たまたまそれにうまく自分の走歴や練習状況、走力や目標レベルなどの状況がフィットすれば結果が出ることもありますが、基本的に再現性があるものではありません。
なので今日は、サブ3をするためにはどれくらいの練習量が必要なのか?というテーマについて、最もベースとなる考え方の部分をお伝えできればと思います。
サブ3するためにはどれくらい練習すればいいの?
結論から言えば月間300km、最低でも250kmくらいは走っておきたいところです。200km以下だと、サブ3を目指す多くの方にとってはちょっと少なすぎるかもしれません。なぜなら、走行距離が少ないと、一言で言えば「効率が悪い」からです。
「えっ?少ない練習と時間で結果を出すのが効率が良いんじゃないの?」
そう思われるお気持ちはとてもわかります。市民ランナーにとって、日々の生活の中で練習時間を捻出することは簡単なことではありません。子供が起きる前の早朝にそっと走りに出て、日が昇る頃には帰ってきて仕事や送り迎えの支度。繁忙期には練習時間が取れないことすら珍しくない。そんな状況ですから、できるだけ少ない時間、少ない練習量で結果を出せるなら出したいと思うものですよね。
でも、やっぱり練習量が少ないのは効率が悪いんです。裏を返せば、練習量さえ増えれば割と効率良くサブ3って目指せるものなんです。そして、効率良くサブ3を目指していける練習量のラインが、大体月間300km前後にあると考えています。今からその理由を3つに分けて説明したいと思います。
月間300kmは走るべき理由その1:できる練習が圧倒的に増えるから
なんと言っても1番の理由はこれです。月間300kmを超えてくるくらい走っていると、日々のトレーニングのバリエーションが非常に増えます。
月間300kmといえば、1日あたりに換算したら大体10kmくらいです。でも、毎日10kmを走るわけではなく、日によっては30km以上走ったりすれば、走らない日もあったりするわけです。ならして1日10km分走るという風に考えたら、できることはかなり増えると思いませんか?
実際、私自身これはものすごく実感しています。ウェルビーイング株式会社に参画した頃の2021年は、スタートアップもスタートアップで、毎月の収入を確保することでヒイヒイ言っていました。手取りで言えば月に10万円もないときも全然あって、「今月の支払いどうしょ〜・・」みたいな不安は常に抱えていました。
そんな状況でしたから、当時はトレーニングにいまいち身が入りませんでした。当時の月間走行距離は100〜150km程度、どれだけ多くても200kmくらいでした。月間400km前後を走る現在と比べると半分以下です。
その時に私がやっていた練習を見返すと、やはり練習のパターンが少なかったですね。インターバルか、なんちゃって距離走か、あとは軽いジョグか、みたいな。ほぼこの3択くらいです。月間100km台になると、自ずとこんな感じになります。要するにやれることがものすごく少ないんです。
この時を振り返ると、とにかく故障は多かったですね。ちょっとレースを走ったり、高強度な練習をしたりすると、すぐ足が痛くなる。体のキャパが小さいから、耐えきれないんですね。たまに出るレースで集中力を発揮していい記録が出たとしても、そこからトレーニング復帰するのにも時間がかかる。だから継続的に練習ができない。継続的に練習できないから、体も強くなっていかず、レベルアップしないという悪循環です。
もっというと、練習が少なかった頃は回復も遅かったです。強度の高い練習をやると、もうその後1日、2日くらいランオフです。練習の密度低すぎですよね。GARMINの月間の走行距離グラフとかみても穴あきだらけでしたよ。
こんな感じで、月間走行距離が少ないととにかくできる練習がかなり限られてきます。そもそも、選択肢がないという感じですね。だから必然的に、結果に直結しそうな感じのする距離走とかインターバルみたいな練習だけチョチョイとやって、間は適当にジョグで繋ぐみたいな感じになるのです。いそがしい市民ランナーであれば、こういうパターンの練習のやり方をしている方は結構多いと思いますが、できることなら一回あたりの強度を落としてでも、走る頻度や総量を増やしていったほうが良いです。なぜなら、体が長距離仕様になって強くなるための最も大きな秘訣は、ポイント練習以外の低強度〜中強度レベルのトレーニングをどれだけ詰めてやれるかということだからです。
また、トレーニングというのは、できるだけ多くの種類の刺激を体に入れるのが重要になります。長距離走・マラソンの基礎は「レースよりも長い距離をゆっくり走る」のと「レースよりも短い距離を速く走る」の二つです。この二つが基本なのですが、速く走るにもいろんなやり方があります。登坂走もあれば、平地でのショートインターバル、そしてロングインターバルや変化走、などなど、、
逆に長い方も、ゆっくりロングジョグもあれば、坂道での距離走、平地での高強度な距離走、不整地での有酸素ランニングなどなど、、
月間走行距離が少ないと、こうした数々の刺激から相当数を絞り込んでやらなければならないので、そりゃ数々の刺激を入れてる人の方が、体もトレーニングによく適応しているし、強いよね、という話になってきます。
月間300kmは走るべき理由その2:走技術の問題
走行距離が増えることによる恩恵は、単に体が強くなるということ以外にもあります。それは、走技術が向上するということです。
走技術というのは読んで字の如く、走る技術のことです。ここには、走り方ももちろん含まれますし、あとは苦しくなったときの力の抜き方とか、走る上での感覚的な部分まで含まれます。
こうした走技術とは、パッと意識して変えられるようなものではありません。巷では「フォーム改善でサブ3」みたいなことを謳うランニングスクールもたくさんありますが、私から見ればあまり本質的ではないように思います。というのも、走り方とかフォームというのは本来、意識的に変えてなんとかするものではなく、日々のトレーニングの中での反復から生まれてくるものだからです。
人間の体とは面白い仕組みになっていて、ある動きを反復するほど、その動きをより効率よくやろうという機能が備わっています。つまり、走れば走るほど勝手に、効率の良い走り方になっていくということです。
ちなみに、長距離走における「走り方」で最も大事なことってなんだと思いますか?答えは、「楽に走れる」ということです。長距離走やマラソンでは「楽に走れること=速く走れる事」。だからこそ、楽をするということを、全力で追求していかなければなりません。
ですが総走行距離が少ないと、楽に走る動きが中々身についてきません。なぜなら、走行距離が少ないから、楽な動きじゃなくても練習を継続できてしまうからです。例えば、月間100kmとかだと、先述の私のように週に走る回数がせいぜい3〜4回とかになります。週の半分走っているかどうかです。これだと、一回で疲れるような練習をしても、次の練習の時にはある程度回復しています。つまり、疲れている状態、脚が重い状態で走るということがあまりなく、体が楽をしようとしないのです。
一方、月間300kmとか400kmを超えてくると、嫌でも体は疲れてきます。疲れてる中でも毎日走ることになるから、無駄な動きができなくなるのです。無駄な動きがあったら、トレーニングを乗り切れないからです。そうなると、体が勝手に楽をしようとして、楽な動きを探します。そういう状況で走ることが増えるから、楽に走るための走技術が自然と身についていくというわけです。
これは私が個人的に感じているだけのことではありますが、月間100kmとかでサブ3を謳っている方の走りって、申し訳ないですが少々無駄が多い印象です。ペースの割には足を高く上げすぎていたり、無理なフォアフットになっていたり、ブレーキがかかっていたりという具合です。
反対に、レース会場とかで前の方でゴールされている方の走りをみると大体綺麗です。実際、タイムでいえばマラソンサブ3以上の方だと、統計的に月間300km以上は走っておられる確率は高いです(弊社調べ)。走り方の改善という意味でも、走行距離は大きな役割を果たしてくれることがよくわかります。
月間300kmは走るべき理由その3:故障しにくくなるから
長距離ランナーにとって最も恐るべきことは、トレーニングが継続できなくなることです。体内の持久系の酵素の働きは3日くらい休めば落ちてきますし、何よりランオフがあまりにも続くと脚の筋持久力が如実に落ちます。もちろん、何ヶ月もかけて準備したマラソンレースの後くらいはしっかりと休むべきですが、トレーニングをやるべき時期は基本的には継続的に走り続けないといけません。
なので、長距離ランナーにとっては故障は命取りなんです。足が痛くなったら、できるだけ軽い段階で休んで、すぐに走れる状態に復帰することが何よりも先決。それは、できるだけ走らない日数を少なくしたほうが良いからです。
また、市民ランナーの場合趣味で走っている方が大半ですが、それでも走ることができない状態というのはとにかくフラストレーションが溜まりますよね?レースに向けた不安も募ってくるし、頭も冴えないし、とにかく気持ちが悪くなってきますよね。趣味でやってるはずのことなのに、それが原因でブルーな気持ちになるのは避けたいところです。
そう言った意味でも、やはり故障はできる限りは避けたいものです。ですが、走行距離が少ないと、どうしても故障してしまいやすいです。
先述の通り、私も過去月間100km〜150km程度しか走れていなかった頃は、ちょっと走ればすぐに足が痛くなりました。毎年弊社で開催している合宿なんかいくと絶対に足が痛くなって帰ってきていましたし、ハーフのレース一本走れば足が痛かったです。とにかく、脆いのです。
ですが、走行距離が300km、そして400kmと段階的に増えていってからは、かなり故障の確率は減りました。たまにちょっと痛んだりすることはありますが、一晩で治せます。ライオンズLLLT2を愛用していて、その力を借りているというのもありますが、そもそもの体の回復力が上がっていることは実感しています。
というのも、走行距離が増える=走る頻度が上がるということになります。走る頻度が上がれば、前回のワークアウトから今回のワークアウトまでのインターバル時間も短くなります。短い休息時間で体をなんとか回復させる必要があるので、必然的に体の回復力が上がるのです。
その結果として、故障しにくい体が出来上がりますし、疲労も抜けやすくなります。レースの後の回復が速くなったりと、走行距離が増えればいいこと尽くめなんです。
上記の理由から、走行距離はできれば300km以上は走った方が、サブ3する上でも効率が良いのです。強い体ができることで、回復力も高まって継続的に良いトレーニングが積めるようになるだけではなく、効率の良い走りも手に入るからです。
もちろん、日々忙しくされている中でいきなり走行距離をガンと増やすことが難しいことは承知しています。ですが、サブ3、またそれ以上のレベルを目指していくにあたっては、やはり月間で300kmくらいのトレーニングはできていた方が圧倒的に効率が良く、成功確率も高くなるのです。
どうやって300km分の練習なんてしたらいいのか?という方へ
とはいえ、そんなにトレーニングのレパートリーもないし、どういう風に練習を組んでいったらいいのかわからない、、という方もいらっしゃると思います。いきなり走行距離を増やすと言っても、ただいたずらに練習量を増やせば良いというわけでもないですからね。
私自身もかつてはそうでした。元々京都の駅伝強豪校・洛南高校で陸上競技をやっていましたが、高校卒業と同時に一回競技からは離れたので、8年間は全く走っていませんでした。それからウェルビーイングで仕事をするようになって市民ランナーとして走り始めましたが、正直どうやって練習量を増やしたらいいのかわかりませんでした。ただ走行距離を増やすだけならできますが、タイムを伸ばすなら練習の質のレベルも上げていく必要があり、量と質をうまく両立しながら練習量を増やすにはどうしたらいいのか、想像ができませんでした。
そんな中私は、ある一冊の本に出会って大きなヒントを得ました。それが『マラソンサブ3からサブ2.5のためのトレーニング』という書籍です。こちらの書籍では、マラソンを運動生理学、一流選手のマラソントレーニングシステムの過去110年間の発展の流れ、市民ランナーの為のトレーニングシステムの3つの観点から、A5で200ページ以上にわたって図も入れながら解説されていて、マラソントレーニングで抑えるべき基本原則から、具体的にどういったトレーニングを入れていけば良いのかまでがイメージできるようになっていました。
本書を読むまでは、高校時代にやっていた練習メニューをコピペしてとりあえずレベルだけ落としてやってみたり、ネットで見た練習方法を試してみたりしましたが、練習と練習が中々線でつながっていきませんでした。線でつながらないからこそ、計画的なトレーニングが組みづらく、結局行き当たりばったり感のある練習ばかりしていて、ちょっと追い込んではすぐ故障して、、を繰り返していました。しかし、本書を読み込んでからは、特に練習のレベルをどうやって上げていけば良いのか?ということが非常によくわかるようになり、それによって故障することなく段階的に、そして着実に走力を伸ばしていくことができました。
この本の筆者は大阪マラソン日本人トップの経験もあるプロランナーで、現在ウェルビーイング株式会社の代表取締役を務め、年間500名以上の市民ランナーの方を指導し、数々のサブ3、サブエガ、そしてサブ2.5ランナーまで育てた経験のある池上秀志氏です。そんな池上氏が考える、サブ2.5のためのマラソントレーニング実例まで載っているので、正直これがあればトレーニングの組み方のイメージに困ることはなくなりそうです。 実際私自身、2022年11月の神戸マラソンが終わってから、2023年3月の琵琶湖マラソンまでのトレーニングは、本書の巻末のトレーニング例をかなり踏襲して行ったのですが、記録が3時間15分から2時間42分まで伸ばすことができました。もちろん、まだまだ発展途上です。
私自身もランナーとして大きく成長するためにヒントをくれた本書は、これから、本気でサブ3、サブエガ、その先を目指していきたいと考える方、また今はそのレベルではないけれど、いつかは絶対に目指してみたいという方には心からお勧めしたいです。
こちらは一冊3000円で販売していますが、現在メルマガ登録いただいた方には無料で電子データをプレゼントしています。ぜひ、この機会にお受け取りください。
読者様の声
「マラソンサブ3からサブ2.5の為のトレーニング」ざっと読み終えました。 世の中に小手先のランニングテクニックの本はたくさんありますけど、本書はマラソントレーニングの核心部分を突いた内容で大変勉強になりました。 自分の問題が明確になり、将来のビジョンや現状の自分に何が足りないのか?将来に向かってどうすればよいのか?を考えるヒントが散りばめられています。マラソントレーニングは目標に向かって緻密に準備して作り揚げる行為は芸術的だと捉えるべきだと思いました。 今後の自分のトレーニングに大変参考になりました。
【山本様(仮名)】 === 面白すぎて一瞬で読み終えてしまいました。笑 ビギナー向けではないのでしょうが、ベテランナーには至高の1冊でしょうね。池上さんのメルマガは毎回欠かさず目を通しているので、見覚えのある内容もチラホラありましたが、一冊の本として手元に置いておけるのは非常ににありがたく感じます。 個人的に一番面白かったのは歴史の所で、過去の偉人たちのトレーニングが現代に繋がっていく様子を追える所が新鮮でした。あと、前半の理論的な話はユーモラスな語り口のおかげで難解な内容でもスッと入ってくる様に感じました。 最後のレース直前準備~あとがきは心にグッと響きましたね。笑
【田村様(仮名)】
ぜひあなたのお役に立てますと嬉しいです。
ウェルビーイング株式会社副社長
らんラボ!代表
深澤哲也
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