こんにちは、ウェルビーイングの深澤です。
この連日の酷暑を乗り切るべく、私も最近は電子書籍『夏場のトレーニング論』を読みふけっていたのですが、本書を読む中で私自身水分補給に関してある誤解をしていたことに気が付きました。
実は、陸上長距離の世界ではこんな“格言”があります。
ー 冷たい飲み物は胃腸にダメージが残るから飲むな!常温を飲め常温を!! ー
え!こっんなクソ暑いのに、冷たいもん飲んだらあかんの!と思われたでしょうか。ええ、もちろんそう思いますよね。私だって、こんな35度とかある中で走り終えた日には、鶴瓶師匠が映った天然ミネラル麦茶を景気良くかっこみたくなります。
でも、実は以前までは私は、冷たい飲みものは基本飲まないようにちゃんと意識していたんです。それには理由があります。かつて私が在籍した京都の洛南高校陸上競技部という場所は、当時監督をされていた中島道雄先生が徹底的に冷たい飲み物を禁止されており、その時の教えが細胞に染み付いていたからです。
ちなみに冷たいものの摂取が禁止されていたのにはちゃんと強豪校なりの理由があります。事実として冷たい飲み物を飲みすぎると、胃腸に負担をかけてしまい、食欲の低下を招くことでトレーニングからの回復が遅れてしまうという問題があるからです。
大前提として、長距離ランナーにとって一番重要なものは炭水化物です。炭水化物が文字通りガソリンなのです。にもかかわらず、冷たいものをがぶがぶ摂取して胃腸が弱っていては、肝心な炭水化物がちゃんと摂取できないわけです。そうなってはせっかくトレーニングを頑張っても元も子もないので、そこはアスリートとして暑かろうが熱いお茶飲むくらいの高い意識を持たんかい!という趣旨のものです。
ちなみにそのルールに背いた暁には、先生からの鉄拳が飛んでくることは間違いありませんでした。どうしても冷たいものが飲みたいと、給水用のボトルに氷をこっそり仕込んだりして、練習前にそのボトルから「カランカラン」なんて音がしたその日には・・・まあ、その後のことは言わずもがなですよね(※実話です)。
とにかくそんな大変厳しい「冷たいもの禁止令」の中で育ってきた私は、割と最近に至るまでトレーニング期間中は無理して冷たいものを我慢して、できるだけ常温で飲むようにしていました。
ですが、、実はここには誤解があったのです。
実際、冷たい飲み物を飲むと胃腸に負担はかかります。ですのでそれを防ぐために常温で水分を摂るということは大事なことでもあります。そもそもなぜ長距離ランナーにとって胃腸がそこまで大事なのかというと、胃腸が疲れるとしっかりと食事が摂れず、ランナーにとって重要な炭水化物をはじめ必要な栄養が摂取できなくなるからです。つまり胃腸などの消化器系は、長距離ランナーにとってパワーを生み出すエネルギー生成所のようなもので、これが弱るとびっくりするくらい走れなくなります。
実際に私自身も、かつて胃腸の疲労により5000mで16分40秒かかったり(この時のベストタイムは15分04秒)、苦い思いをたくさんしてきたので、市民ランナーになってもちゃんと冷たいもの禁止令をある程度意識していたのです。つまり私は冷たいものを飲むことは「悪」だと思っていました。
しかしながら、冷たいものを飲むことにもメリットはあるということを『夏場のトレーニング論』の中から学びました。胃腸に負担をかけてしまう冷たいものを飲むメリットとは何か?それは、体の体温を素早く下げることができるということです。
体の体温を下げることがなぜ重要なのか?それはそうすることによって、胃腸を元気にする効果が期待できるからです。
人間の体は、特に夏場のような環境下でのトレーニングでは、熱が体内に籠りやすく、そうすると体温が最適な温度を超えて上がってしまい、人体が危険にさらされるので、血液を体表近くに送って熱を外へと放出しようとします。
そうすると、いつもは胃腸に送られる分の血液が体表近くに出張してしまうので、胃腸にはあまり血液が送られず、その働きとしては弱くなってしまうというのです。胃腸が不活化すると、当然食べるものも食べられなくなりますよね。そうなると、長距離ランナーが最も摂取しなければならない炭水化物がしっかりとれないということになるのです。
そこで冷たい飲み物の出番です。冷たい飲み物を摂ると、体温はしっかりと下がっていきます。これにより、体表近くに送られていた血液も胃腸に戻り、働きとしてもよくなるわけです。ここの部分について、本書から一部引用してご紹介いたします。
「(前略)夏場に食欲が低下するのは走っている人は特にそうなのですが、胃腸へのダメージが大きくなるからです。これは先述の通り、夏場のランニングでは特に体表面へ多くの血液をとられ、胃腸へ回される血液が少なくなるからです。
(中略)で、この辺りどうするのが良いのかということですが、先ず大前提として冷たい水を飲むと胃腸がつかれるのは事実なのですが、同時に体温を手っ取り早く下げるには冷たい水を飲むのが良いんです。生理学の用語で中核体温と書く場 合にはたいてい肛門から温度計を差し込んで直腸温を図った時の温度なんです。
動物と人間の比較においては、チーターをトレッドミルで走らせて、チーターの 直腸温の上昇を測るという何とも珍しい光景も繰り広げられます。このことからも分かるように体の中心は胃腸とか心臓とか肺とかの重要な臓器があるとこ ろと脳です。
とはいえ、脳みそとか心臓に体温計をぶっ挿すわけにはいかないので、肛門から体温計を突っ込んで体温を測る訳ですが、そのくらい胃とか腸というのは身体の中心部にあるので、冷たい水を飲むのは体温を下げるのにちょうど良いんです。これが冷たい水を飲むメリットの部分です。
(中略)では、冷たい水を飲んだ後はどうすれば良いかというと、体温も下がって落ち着いてきたところで温かい飲み物を飲めば良いのです。そうすることで、胃腸も回復し、食欲も出てきます。夏場はお鍋やおじや、雑炊などにしてスープごとご飯を食べることがおすすめです。特に食欲がない時は雑炊やおじやにすると食べられるという人も多いですし、鍋の最後に入れるうどんも美味しいですよね!」
(池上秀志著『夏場のトレーニング論』P132~135より引用)
よく持たれがちなイメージとしては、とにかく冷たい飲み物は胃腸に良くないから常温にして飲むべきだ、というものですが、これをお読みいただくと実はそんなにやせ我慢をする必要もないということも分かっていただけると思います。
むしろ、トレーニング後の食欲を「開通」させるために有効な手段としても使えるのが冷たい水であるということもわかります。無論、がぶがぶと飲みすぎることは胃腸への負担が大きいためおすすめしません。とはいえただやせ我慢して冷たいものを控えるというよりは、体表付近に行ってしまった血液を体の中心部=胃腸へ素早く戻し、その後の炭水化物の摂取を助けるということのメリットも理解しておくと、より夏場のトレーニングをした後の対応の幅が広がるのではないかと思います。
これまで私自身も何度もランナーとして夏を超えてきましたが、そもそも熱を逃がす際に体は血液を体表近くに送っているということや、それによる弊害が起こっているということについては本書から新たに学びえたことであります。
トレーニングの基本原則に関しては、夏と冬で変わることはありません。細かい部分の戦略や、一つ一つのワークアウトの取り組み方に工夫やコツがあるのは間違いないですが、基本的な考え方自体は大きく変わりません。
ですが、こうしたリカバリー戦略など、トレーニング以外の対応については、夏と冬ではかなり異なってくる部分があります。電子書籍『夏場のトレーニング論』では、タイトル通りトレーニングの工夫の方法についてはもちろんですが、こうした夏ならではのリカバリーや生活面で気を付けたいことについてもかなり丁寧に解説されています。
この『夏場のトレーニング論』は一冊たったの2000円でお買い求めいただけます。
ご購入手続きはとても簡単で、お支払方法をクレジットカード、ペイパル、銀行振り込みからお選びいただき、その後お名前、電子書籍をお届けさせて頂くメールアドレスなどの基本情報を入力していただくだけで3分ほどで完了します。
クレジットカード、もしくはペイパルをお選びいただいた方には自動返信メールで、銀行振り込みをお選びいただいた方には私が入金を確認後手動で『夏場のトレーニング論』をメールにてお届けさせて頂きます。
ご希望の方は今すぐこちらをクリックして、ご購入ください。
ウェルビーイング株式会社副社長
らんラボ!代表
深澤哲也
Comments